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受験につきものの不安、戦わず糧にする三つの方法 ストレス症状はきたえても治らない

2020.01.29

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山本 朝子
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大学入試センター試験が終わり、高校入試も各地でスタート……。受験シーズン、入試に臨む受験生はこの時期、自分自身とどう向き合うと本番で力を発揮できるのでしょうか。治療を通して多くの受験生の相談にのってきた秋葉原駅クリニック(東京都千代田区)の大和田潔院長に教えてもらいました。体操もぜひ、お試しを!

受験生が抱える不安の多くは、これまでの自分のがんばりを信じきれないことに起因します。これは、根本的には解決できません。「これで完璧」という絶対的な指標がないので、「自分は準備不足だ」という不安も常につづくことになります。

こうした不安に対処するためには「戦わずに糧にする」ことが効果的。三つの方法を挙げます。 

エンスタナビ0129戦わず糧に

意識を切り替え、自分の変化を信じ、勉強しやすい環境に整える

一つ目は「マインドセット」をかえること。頭のなか(脳)で起こる考え方のくせをマインドセットといい、それを意識的に別の方向にかえます。

たとえば模擬試験の成績がよくなかったときに「もうだめだ」と考えがちな受験生なら、気持ちを切り替えて「克服すべき弱点がわかった」と受けとめてみます。

二つ目は自分の変化を信じること。「これから」に対して不安になるのは「いまできないものは明日もできないかも」と考えるからです。

本当は、明日の自分はきょうよりもすごい。きょう英語を勉強すれば、明日の自分はきょうよりも知識が増えているはず。こう考えることで、不安を抱える自分は過去のものになります。

これらは一朝一夕にはできないかもしれません。でも「自分の悪いくせ」と気づくことで、勇気をもって「前に進もう」と習慣づけることができます。

三つ目は自分のからだや生活のリズムといった環境を整えて勉強しやすい状態をつくること。ほかの二つにくらべると、取り組みやすく、効果も出やすい方法です。

代表的な例が睡眠です。人間は夜、メラトニンというホルモンが出ると眠くなり、朝にその分泌が減ると目覚めます。このリズムにあわせて睡眠を6~7時間ほどとるように心がけます。

メラトニンがさかんに出ている時間帯に勉強に取り組んでも、効率が上がらないだけでなく、睡眠が足りないと頭痛などを引き起こす心配も。からだのリズムにあわせて生活することが大事です。

からだを動かして体調を整え、勉強しやすい状態をつくる方法もあります。上のイラストに盛り込まれている「肩こりトリトリ体操」がその一例で、私が考えました。「ぴっぴっぴ」で始まり、「もしかして」で首を右、次の「もしかして」で首を左にといった具合に、歌詞を口ずさみながら動かしてみてください。

エンスタナビ肩こり体操

机に向かってばかりだと、上半身の筋肉がかたまりがちです。体操でそうした部分を動かすことで、胸郭の柔軟性が高まって酸素の取り込みや血液の循環がよくなり、頭がすっきりします。

運動すると脳は活性化します。英単語や歴史的な事がらなどを暗記するときは、からだを動かしながら取り組むのがおすすめです。日光のもとで、屋外で暗記するのもいいでしょう。 

プレッシャーも楽しんで いまの自分を受け止めよう

緊張しておなかが痛くなったり、プレッシャーを感じて眠れなくなったりしたことがある受験生は少なくないかもしれません。こうした現象(症状)は生命を保つために脳が引き起こす「反射」によるものです。ストレスを感じた脳が、腹痛や頭痛の原因となります。多くは体質なので、きたえて治るものではありません。

そのため、「戦わずに糧にする」ための三つの方法が大切。考え方のくせをかえて「このプレッシャーを楽しもう。いまの自分をためそう」と受けとめられるようになると、実力を発揮できるのではないでしょうか。ただし、なかなかおさまらない場合は医療機関を受診するのも一つの方法です。

受験勉強は、あらためて自身の思考パターンと向き合い、成長するための作業でもあります。受験を通して己を知り、新しい自分を手に入れられるといいですね。

  ※朝日中高生新聞2020年1月12日付

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