エデュアお悩み相談室

AI社会で求められる思考力、身につけさせるには 「語り合う誰か」探し、対話で育む

2020.02.12

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清水 章弘
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  • 思考力育成には、「経験」をきっかけに「言葉」「情報」「知識」「読解」がポイント。
  • 周りとの「対話」も重要。家族や友達、先生など「語り合う誰か」を持たせてあげること。
  • 主体的で深い学びも対話から。大人が「ラリー」の相手になり、深く思考できる仲間を探して。

《質問者》
AI(人工知能)が当たり前になる社会で、今までの暗記中心の勉強ではいけないことは理解しています。これから求められる思考力をどう身につけさせるのか? 親としてサポートできることや、子どもが自分で考えられるようになるためにどんな経験をさせたらいいのかを知りたい。
(神奈川県 30代女性)

今回の回答者は「赤門の神」清水章弘さん

AIと教育を結びつけて語ると、たいてい炎上します。警鐘を鳴らすと「あおるな」と言われ、安心を訴えると「楽観的だ」と笑われます。それくらい関心が高いのでしょう。そもそも、ひとの思考を支えるものはなんなのでしょうか。

まず「経験」です。共感するにしても、批判するにしても、自分でたくさんの経験をしていないと、想像できませんし、興味も持てません。経験は考えるきっかけになります。次に「言葉」です。言葉がないと、考え始めることすらできません。また、語彙(ごい)が足りないと深く思考することができません。「情報」も必要になります。本でもインターネットでも、良質な情報源にたどりつかなければなりません。そのあとは、「知識」と「読解」。あらかじめ知識がないと読み解くことはできませんし、論理的に読む力がないと、頭の中で整理(構造化)することができませんよね。

さらに、1人で完結しない場合は、周りとの「対話」が必要になります。表現力もチームワークも求められます。これを支える「粘り強さ」も大切。これらすべてが思考を支えています。なんかクラクラしてきますよね。大事なものは「全部」です。「それが大事」なんていう歌がはやりましたが、大事なことが渋滞を起こしているのが今の教育界なのです。

お悩み清水さん自学

私の考えを述べましょう。「語り合う誰か」を持たせてあげることから始めてほしいです。ご家族でも、友達でも、先生でも、近所のおじさんでも。興味・関心を一緒に掘り下げる人。テニスで言えば、「ラリーをしてくれる人」です。今回の教育改革の象徴となる言葉に「主体的・対話的で深い学び」というフレーズがありますが、主体性も、深い学びも、対話の中で育まれます。そこで「着火」され、誰かが「伴走」してくれたら、自然と主体的で深い学びになっていきます。それは本でも構いません。本は先人との対話ですからね。親ができる最大のプレゼントは環境を用意してあげること。大人も本や新聞で知識を深め、対話という「ラリー」の相手になってあげながら、深く思考できる仲間を一緒に探してあげてはいかがでしょうか。

お悩み募集

※教育や育児、受験のお悩みに、教育アドバイザーの清水章弘さんや「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん、プロ家庭教師で中学受験カウンセラーの安浪京子さんらエデュアや朝日新聞で連載を持つ筆者が交代でお答えします。みなさんのお悩みを募集しています。子どもの年齢や学年、お住まいの都道府県名のほか、相談内容をできるだけ具体的に書き、メールでエデュア編集部にお送りください。掲載は匿名です。すべての相談に応じることはできません。ご了承ください。
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