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高校・大学入試の社会 暗記科目と思わず本質を理解して 歴史ではまとめノートも活用

2020.01.08

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山本 朝子
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効果的な勉強法を教科(科目)別に紹介しています。今週は社会編。高校入試と大学入試に向けての取り組みを解説します。高校入試は3分野(歴史・地理・公民)、大学入試では選択できる科目がさらに増えますが、共通する視点がありそうです。Z会進学教室の荻原慎太郎さん(高校入試担当)と小梅智子さん(大学入試担当)に聞きました。

高校入試:写真や図表を読み込み、因果関係に注目し本質を理解

社会を暗記科目ととらえないでください。最終的にはたくさんの事柄を覚えますが、本質を理解するのが何よりも重要です。

地理で「ブドウの生産がさかんなのは山梨県」と覚えても「ミカンは…」「モモは…」ときりがありません。「日本は米づくりが中心」→「稲が生育する地域は米をつくるはず」→「山梨の甲府盆地は降水量が少なく、米づくりに向かない」→「盆地は水はけがよく、日あたりもいい」→「果物の栽培に適している」。こうした視点を身につけるには教科書の写真や図表を読みこむのが大事です。

歴史の場合、原因と結果を結びつけます。たとえば原敬を覚えるときに「最初の政党内閣」だけで終わらせません。「ロシア革命」→「アメリカなどが警戒してシベリアに出兵」→「日本で米の買い占め」→「安売りを求めて米騒動」→「寺内正毅内閣が退陣」。流れをつかむには教科書の内容をノートにまとめるのが効果的。因果関係に注目して仕上げます。

地図帳はつねに手元置き、調べた地名にはマーカーで線を引きます。「平氏が滅んだ場所」「ペリー来航」など、歴史で調べた内容も地図に書きこむと、広がりのある取り組みにつながります。

公民の場合、新聞を読んだり、テレビのニュースを見たりすることをおすすめします。公共サービスは税金で支えられているなど生活とのかかわりに気がつくと、公民をより身近に感じ、教科書の語句も頭に入りやすくなります。

こうした取り組みが中1や中2でできていると、中3での勉強は見通しが立ちます。しかし、実際には対策が遅れがちという受験生が多いかもしれません。そんな場合、自分が住む都道府県以外の公立入試で出た問題から、苦手な分野の類題を見つけて徹底的に解くのも効果的です。

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大学入試:時代や地域を比較し、背景・関連をさぐる視点を大事に

受験生がよく選択する科目はそれぞれの勉強法が異なります。

まずは日本史。時系列に沿って教科書の内容をノートにまとめ、因果関係をつかむのは高校入試に向けた歴史分野の取り組みと重なります。ただし、大学入試の場合は用語集を使ってさらに理解を深めることが必要です。問題演習をくり返すことも欠かせません。

おすすめしたい問題は、あるテーマについての文章(リード文)に空欄や下線がほどこされているタイプ。文章を読むことで、そのテーマがどのような文脈で問われがちなのか、典型的な出題パターンを把握できます。「墾田永年私財法」の「墾」のように難しい漢字は何度も書いて覚えます。

世界史ならではの作業が同時代のほかの国や地域を比較すること。時代の変遷が縦方向で示されているとすれば「横に串を通す」ようなイメージです。それぞれの国や地域が周囲とどのように向き合い、どのような影響を受けたのか、その結果、どのような出来事に結びついたのか――。こうした視点が世界史を理解する早道になります。

日本史とは異なり、用語集は辞書的に使うだけで十分。同じ時代の動きを見わたせるタイプの年表を活用するのが効果的です。

地理で求められるのは、類推する力。たとえば、ある気候が分布する地域は教科書や地図帳の資料を利用すればわかりますが、なぜその地域に分布しているのかといった点まで踏みこみます。分布している地域で共通する点、ほかの地域と異なる点など知識を動員して考える姿勢が大事です。

政治・経済は教科書を読みながら背景を考え、関連をさぐる習慣を身につけます。倫理は著作物から主張を読み取る力が問われるので、国語(現代文)の読解力を高めることが対策に結びつきます。

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 ※朝日中高生新聞2019年12月8日付

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