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教育資金の一括贈与 活用メリットのある家庭は? もともと年間110万円まで非課税

2020.01.10

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小山 信康
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子育て世代のお金の悩みに、子育て世代のファイナンシャルプランナーがお答えするコラムです。

Q. 教育資金の一括贈与 非課税メリットがあるのはどんな場合?

《相談例》

私立高校2年の長男が、「1年間、語学留学したい。さらにできれば、海外の大学に進学したい」と言い出しました。かなえてやりたいのはやまやまですが、私立なので高校の学費捻出も大変です。 この先、長男に準備できるのは300万円が限度。長女(中2)の高校進学も重なり、海外留学・進学の費用には到底足りません。
そう悩んでいたところ、知人が「祖父母から孫へ、教育資金を非課税で贈与できる仕組みがある」と教えてくれました。 実家はある程度の資産家なので、非課税であれば相談してみようかと思っていますが、具体的にはどのような制度なのでしょうか? また、利用する際の注意点やメリット・デメリットなどはありますか?

《相談者はこんな人》

兵庫県在住、会社員50歳。家族は専業主婦の妻(45歳)、私立高校2年の長男(17歳)と公立中学2年の長女(14歳)。持ち家。
収入=年収約800万円、 支出=年間約600万円。
貯蓄/運用=教育資金(長男:学資保険300万円、長女:定期預金150万円)
相談者の父親は80歳、母親は75歳。自営業、持ち家。実家には、妹(40歳)が小学3年の長男と共に同居している。

A. 必要な都度、年110万円以内の援助なら贈与税はかからない

教育資金の一括贈与の非課税制度の大まかな仕組みは前回のお話で分かりました。では、活用するとよいのはどのような人でしょうか?

一言で申しまして、「お金持ち」の方です。この制度の意義は、贈与税の負担を心配することなく、祖父母から孫に資金を贈与できる点にあります。
もし、この制度を利用せず、祖父母から孫(20歳未満)に1500万円を一括贈与すると、贈与税が約450万円かかる計算となります。
ただし、贈与税には1年あたり110万円の基礎控除があります。同じ1500万円なら、単純に考えれば年100万円を15年間、必要な都度、贈与すれば贈与税はかかりません(定期的な贈与を除く)。よって、資産にかなり余裕のある祖父母が、大学進学が迫っていて時間的に余裕のない孫に贈与するということでもなければ、無理に教育資金の一括贈与を活用する必要はありません。
毎年、110万円を超える教育費援助を要することもないでしょうから、あまり気にせず必要な時に必要な金額を贈与することも考えられます。

非課税となる教育資金にあたるのはどういった費用ですか。学校等に支払うお金は非課税で引き出せるそうですね。「学校等」にはインターナショナルスクールも含まれますか?

はい、含まれます。
ここで言う学校等に該当するものには、学校教育法上の幼稚園から大学、専修学校や各種学校などが挙げられます。インターナショナルスクールも、国際的な認証機関に認証されていれば該当します。
海外の大学や高校も、その国の学校教育制度に位置づけられているものであれば該当します。

学校の修学旅行代も非課税の対象になりますか?

はい、対象です。
主に学校等に支払われる入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費や受験料などが対象ですが、他にも学用品代、修学旅行代、給食費のように学校教育において必要と考えられる費用は対象となります。PTA会費や学級会費、生徒会費もこれらに含まれます。
また、学校等に直接支払われない費用でも、通学定期券代や留学渡航費、転居の際の交通費等は対象です。学用品を学外で購入した場合も、学校等が必要と認めたものであれば対象となります。

長男はバイオリン教室に通っています。その月謝の支払いに充てることもできますか?

はい、可能です。ただ、学校等に直接支払われるものではない習い事の費用は500万円までが非課税対象です。
バイオリンやピアノ、絵画など芸術や教養の向上につながるもの、野球や水泳などスポーツ指導の対価も対象になります。これらの指導を受けるにあたって購入する用具費も対象です。ただし、個人的な趣味で購入した楽器やスポーツ用具は対象外となります 。

23歳以上は教育資金口座から資金を引き出せなくなると聞きました。本当でしょうか? 大学院に進学することになったら困ります。

2019年度の税制改正におきまして、23歳以上の習い事については教育資金口座からの引き出しができなくなりました。
しかし、学校等に支払う資金に関しては、23歳以上でも引き出すことが可能です。もし、30歳時点で在学中であれば、さらに40歳まで引き出し期間を延長できます。
なお、社会人のスキルアップとして、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講する方もいらっしゃいますが、その際、教育訓練実施者(機関)に支払う費用は、23歳以上であっても教育資金として引き出すことが可能です。

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