ゼロからわかる! 2020大学入試改革 おさえておきたいポイントを解説

英語民間試験の活用見送り 高2生がこれから気を付けるべきポイントは?

2019.11.15

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増谷 文生
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2020年度からの大学入試改革について、朝日新聞社会部で大学入試や教育問題を取材する増谷文生記者がポイントを解説します。読者のみなさまから寄せられた質問に増谷記者がお答えします! 

国が、2020年度の大学入試で予定していた英語民間試験の活用を延期した件ですが、結局、一般入試で受験を考えている今の高校2年生はどう対応すればよいのでしょうか。その後、どんな動きがあるのか知りたいです。

(増谷)文部科学省が今月1日、2020年度から大学入試センター試験に代わって導入される大学入学共通テストで、英語民間試験の活用見送りを決めました。今の高校2年生が初の主な対象になる予定でしたが、住んでいる場所や家庭の収入による格差で一部の受験生が不利になってしまう、といった批判が出ていました。

ただ、今回の判断は、国のシステムを通して英語民間試験の成績を大学側に届ける仕組みについての「見送り」です。大学側が入試で民間試験の成績を全く活用しなくなった、というわけではありません。今後、高校2年生はどのような点に注目して対応を考えればよいのか、現時点で分かっていることを説明します。

国立大は29日に発表

 まず国立大です。国立大学協会が18年3月に発表した「ガイドライン」は、一般選抜の全受験生に民間試験を受けることを求めていて、95%の大学が活用するはずでした。予定では、国のシステムを通じて手に入れた成績を、得点換算したり(筑波大など)、一定水準を上回った人にしか出願を認めなかったり(京都大など)する方針の大学が多くありました。

しかし、国のシステムの「見送り」が決まったため、同協会は、20年度に実施する入試で民間試験を独自に活用するのか、活用するならどのように使うのかを、各国立大がホームページなどで発表することを決めました。今月29日が発表日ですから、関心がある大学のホームページを確認してみてください。

中には、一般入試で独自に活用すると既に発表した広島大のように、既に決めて周知している大学もありますので、早めにのぞいてみるのもよいでしょう。

受験の時期選びについても変わる場合があります。国のシステムでは、高校3年生の4月より前に受けた成績は原則、活用できないとされていました。それが、見送りとなり、高1や高2のときの民間試験の成績を活用できる大学・学部も出てくるでしょう。「早めに受けてパスしておき、別の学習に専念」「もっと力がついてから民間試験を受ける」など、受験生の力量と志望先の入試制度によって判断はさまざまでしょう。

英語民間試験見送り
国大協の会見(2019年11月8日)

気になる大学の情報は個別に確認を

 一方、公立大や私立大は、民間試験の成績の提出について、国のシステムを使うかどうか、各大学で方針を決めていました。システムを使う予定だった多くの大学は、「見送り」の発表を受けて、ホームページに「見直しの検討をしており、決定次第、発表する」などと掲載しています。

既に発表している大学・学部もあります。

早稲田大は「見送り」以前は、国のシステムを利用するか、受験生が自分で提出するか選択するとしていました。その後、文、文化構想、商、国際教養の各学部は、自分で提出するように求めることにし、公表しました。また、15日には、「200点満点のうち民間試験の配点を最大で15点」と表明していた政治経済学部が、「民間試験の活用を取りやめる」と発表しました。

文科省によると、私立大で国のシステムを活用するとしていたのは65%。ただ、全ての入試ではなく、一部の学部や入試方式のみのケースが多くありました。そもそもシステムを通さずに独自に民間試験を活用する私立大では、今回の見送りによる影響は受けない見込みですので、個別に確認する必要があります

20年度の共通テストは2技能で

 民間試験とは別に、大学入試センターが20~23年度に実施する共通テストで、英語の試験はどうなるのでしょう。

来年1月まで続くセンター試験では、間接的に「話す・書く」力を測るため、アクセントの位置や、正しい発音を選ぶなどの設問がありました。次年度から始まる共通テストでは当初、民間試験活用で「話す・書く」力が測れるので、こうした設問はなくす方針でした。

「見送り」が決まった後、入試センターは「この時期にすべてを作り直すことは極めて困難」として、方針を変えないと発表。20年度については予定通り、「読む・聞く」の2技能に特化した試験となります。21年度以降の試験については、さらに検討するとしています。

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