エンスタナビ ~Enjoy Study Navigation~

大学受験の数学、2次関数が基礎 考え組み立て「伝わる解答」意識して

2019.12.11

author
寺村 貴彰
Main Image

高校入試、大学入試について、それぞれに向けての効果的な勉強法を教科(科目)別に解説しています。今週は大学入試に向けた数学編。河合塾教育研究開発本部の依田栄喜先生(数学科)は「数学の本質を理解する勉強法にかえれば、どんな問題にも対応できる」と話します。

これまで以上に「数学の本質が問われる」共通テスト

2020年度からの大学入試改革では、いまの「大学入試センター試験」にかわり、より思考力・判断力・表現力が問われる「大学入学共通テスト」(21年1月実施)がとり入れられます。

国公立大学や私立の難関大学の場合、受験生の思考力などを評価するために個別に実施する入試はもともと記述式の出題が中心なので、傾向が大きくかわることはないとみられています。数学について入試改革の影響を受けるのは、大学入学共通テストのほうではないでしょうか。

大学入学共通テストの実施に向けて、これまでに2回おこなわれた試行調査をみると、問題の文章や選択肢の一つひとつが長めの出題が目立ちます。解答するために欠かせないところと、そうではないところを判断する力が求められ、なかには正答への「誘導」がなく、思考させる問題もみられました。また、会話のやりとりをもとに解答するという出題からは「別の考えや意見をもつ人にも寄り添うように」というメッセージがこめられているようにも思えます。

こうした傾向になることをふまえ、対応するための勉強方法を考えなければなりません。「大学入学共通テストではこれまで以上に数学の本質が問われる」ととらえ、教科書の解法を覚えて答えを出すという解き方から、頭のなかで自分なりの解法を考えて組み立てるという方向に切り替える必要があります。

640x1218エンスタ

数Ⅰ、特に2次関数の理解がすべての基礎 

大学受験の数学は関数や図形などをあつかう数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと、確率や数列などをあつかう数学A、Bの計五つにわかれます。数ⅠAと数ⅡBは文系と理系で共通ですが、理系の場合、複素数平面や極限などを学ぶ数Ⅲが加わります。

数学を苦手とする高校生をみていると、数Ⅰの2次関数の理解が不十分なのではないかという印象をもちます。関数は中学でも習いますが、高校になると急に難易度が高くなってつまずくケースが多いようです。数Ⅰ~Ⅲは内容を積み重ねていくので、数Ⅰでつまずくと数Ⅱや数Ⅲにも影響がおよびます。関数は高校の数学で大きな柱に位置づけられているので、まずは数Ⅰで教わる内容をしっかり身につけることが重要です。

もちろん、数Ⅰだけに力を入れるわけにはいきません。大学入試で主に出題されるのは文系なら数ⅡB、理系なら数ⅡBや数Ⅲの単元や分野。数Ⅰの2次関数をさっと振り返り、数ⅡBの演習に取りかかることをおすすめします。

ベクトルや数列をあつかう数Bもなかなか手ごわそう。ベクトルは抽象的な要素が多く、習得に時間がかかります。数列ではΣなどの記号が意味する内容を十分に理解できず、あきらめる高校生が目立ちます。どちらの単元も思考力を問われる出題が多いので、基礎的な問題をくり返し解くのが効果的です。

数Ⅲの微分・積分は一見、計算が難しそうですが、実は「やること」が比較的決まっており、その作業ができるようになるとすぐに得点源になります。教科書レベルの問題から取り組み、だんだんと難易度を上げていくのがいいのではないでしょうか。

授業前には必ず予習 「相手に分かりやすい」解答を意識

数学の力を高めるには予習をしてから授業に臨むのが大事です。頭を使うことに重きを置くので、たとえ問題が解けなくてもかまいません。予習を通して、式をどのように変形するかといったミクロな視点と、解答を導くためにはどのような全体像を描くべきかといったマクロな視点でとらえる練習を重ねます。

解答の書き方についても普段から意識してください。解答用紙は計算用紙ではなく、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるもの。頭のなかで描いた設計図(全体像)にしたがい、正答に必要な道具(式など)をそろえ、答案としてまとめます。

 ※朝日中高生新聞2019年11月4日付

Latest Articles新着記事