やる気を引き出す整理術

塾の大量プリントをすっきり整理! 中学受験家庭でアドバイザーが指南

2019.11.19

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葉山 梢
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学校・塾から持ち帰る教材や大量のプリントは、どうすれば片づくのか。現役の家庭教師で整理収納アドバイザーの資格も持つ中島亜季さんは、長年の受験指導の経験を生かし、子どもが持ち帰る教材の整理法などを助言している。9月下旬、塾の大量のプリントに悩むお宅の整理に同行した。

話を伺った人

中島亜季さん

なかじま・あき/家庭教師や教材整理サービスを手がける企業「pentas」代表取締役、学習空間コンサルタント。塾講師や家庭教師として20年以上、小~高校生の指導に携わってきた。整理収納アドバイザーの最上位資格である整理収納アカデミアマスター。(写真はpentas提供/菱川陽亮氏撮影)

訪ねたのは、2階建ての戸建て住宅で暮らす大阪府の米澤真奈美さん親子。

 小学4年生の長女は私立中学を受験する予定で、大手の進学塾に週3回通う。帰宅するのはいつも午後9時ごろ。玄関に近い1階ダイニングルームの食卓で持ち帰ったテストやプリントを広げるので、「食事のたびに、散らかったプリントをテーブルの隅に押しやっています」(米澤さん)。必要なプリントがなかなか見つからないのも悩みだという。

 2階の子ども部屋には学習机があるが、長女は食卓で、いわゆる「リビング学習」をすることが多い。このため、塾の教材やテスト類は、おもちゃと一緒にダイニングルームわきの和室に置いている。

 米澤さんとの事前の打ち合わせで、中島さんは「塾の教材は、学校の教科書やおもちゃと分け、食卓のそばにしまいましょう」と提案。ダイニングルームと台所を隔てるカウンターの下に、A4サイズが入る縦3段の棚を四つ並べて置くことにした。

 当日は長女に「塾では何曜日にどの教科を勉強するの?」「塾から帰ってきたら何をする?」と尋ね、長女自身が出し入れしやすく、塾のカリキュラムに沿った配置を相談。教材とノートは教科ごとに分けてファイルボックスに入れ、一番上の棚には算数と社会、その下には国語と理科といったふうに、塾で同じ曜日に使うものを1カ所にまとめるようにした。

整理術2
(1)出して(2)分ける:いったんすべて出し、「使う」「使わない」を区別すると同時に、種類や用途、目的、使用者などの基準で分類する(pentas提供/菱川陽亮氏撮影)

 テストやプリントは内容がひと目で分かるよう、印刷された面を外側にして折り直していく。すぐに出して復習しやすく、同時に捨てやすくするため、穴を開けてファイリングしたりひもでとじたりはしない。そのうえで教科やテストの種類ごとに分けてクリアファイルにしまい、ラベルを貼った。進学や成績の資料もクリアファイルに入れ、教材とは別の棚にしまう。

 塾の教材は、教科ごとに色分けされていることが多い。中島さんは「クリアファイルの色は、国語は赤、算数は青というようにテキストの色とそろえると、より見分けやすくなりますよ」と助言する。

 作業は4時間ほど(事前ヒアリング、棚の組み立て作業などを含めると計9時間半)で終了。食卓は元通りに戻した。長女は「ボックスごとテーブルに運べて便利になった」とうれしそうだ。

整理術2差し替え
(3)しまう:よく使うものは食卓に座ったままでも取り出しやすい高さにしまう

 中島さんによると、片づけの仕組みづくりは、(1)すべて出す(2)分ける(3)しまうの3段階で進めるのが基本。一般的には、持ち主本人が「使うか、使わないか」を判断するが、中学受験の教材は子どもが「使わない」と思っても、志望校合格という目的のためには必要な場合がある。一方、使い終わったノート類は、親は取っておく必要がないと思っても、子どもにとっては自分ががんばった証しとなることがある。このため、どちらも親子で一緒に決めたほうがいいという。

 「子ども自身が主体性を持ち、自ら課題を発見し自己表現することは大学受験や人生においても重要です。片づけを単なる『使いやすい空間づくり』に終わらせず、子どもとのコミュニケーションの時間や塾での様子を知る機会としても活用してほしい」と中島さん。

 しまうときは、次に使うときのことを考えないと、出し入れしにくくなってしまう。「片づけ=使った物を元の所に戻すこと。戻しやすいよう、棚にもラベルを貼りましょう」。きれいでも使いにくい収納は、やる気も時間も奪いかねない。

整理術4
(4)完成:余裕スペースがあっても関係ないものは入れない

 1カ月たっても、米澤さん宅ではスッキリとした状態を保てているという。米澤さんは「出すのもしまうのも子ども自身がするようになり、プリントなどがテーブルに出しっぱなしということもなくなりました」と言う。

 棚にはまだ余裕があるが、受験が近づくと志望校の過去問などが増える。小学1年の弟も中学受験予定だ。中島さんは「塾のクラス替えや成績の変化に合わせ、仕組みを見直すといいですね」と話す。

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