英字紙記者が読み解く2020大学入試改革

英検S-CBTって? 従来型、CBTとの違いは? 英語民間試験

2019.10.28

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金 漢一
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2020年度から現行のセンター試験が「大学入学共通テスト(共通テスト)」となり、英語では「読む、聞く、話す、書く」の4技能を評価するため、7種の民間試験(英語外部試験)が活用されることになりました。中でも、「英検」で知られる実用英語技能検定は、国内で最も受検者が多い試験です。しかし従来の英検は民間試験では不採用となり、1日で完結する「英検2020 1 day S-CBT」「英検CBT」という方式が採用されました。どのような試験なのでしょうか?

英検は1年に中高生約280万人を含む計366万人が申し込む国内最大級の英語の試験だ(数字は2017年度。英検Jr.なども含む)。しかし、4技能のうち1次試験で3技能を測り、その合格者が2次の面接試験(「話す」)に進む従来型の形式は、共通テストに活用する民間試験には不採用と判断された。

昨年8月、日本英語検定協会は、従来型の試験は残しつつ、共通テストに対応できる1日で4技能を測る新型の英検を導入した。「英検CBT (Computer Based Testing)」と呼ばれ、受検者がコンピューターに向かって試験に臨む方式だ。TEAP CBT、TOEFLなどの検定試験も同様の方式を採用している。

英検CBTは「スピーキング(S)」→「リーディング(R)」・「ライティング(W)」→「リスニング(L)」の順に進む。試験時間は全行程で約2時間から3時間。スピーキングは、ヘッドホンとマイクを装着してモニター上に現れる「面接者」と受け答えをする方式で、答えを吹き込む。リーディングやリスニングでは、マークシートを塗りつぶす代わりに、選択した答えをクリックする方式。ライティングは、紙に書く従来式と違い、キーボードで入力する。現在は3級、準2級、2級が対象で、11月から準1級も CBT 受験が可能となる。1級は、試験で面接委員と質疑応答の必要があるので、CBTでは対応できない。

試験会場が多いS-CBT

協会が、受験生たちに民間試験として活用を勧めるのが、「英検20201day S-CBT」(以下、S-CBT)だ。英検CBTの試験会場が現在(今年度第2回)17都道府県にとどまるのに対して、S-CBTではより広い範囲で受験生を受け入れることが可能だからだ。S-CBTは高校会場を使わず、全国47都道府県186エリア260会場のテストセンターで受験できることになっている。予約申し込みの状況に応じて会場を設置し、さらに2割の余剰を設ける。本申し込みの際には予約申し込みをした者から日時や会場を決められる。

S-CBTは、英検CBTと試験方式が違う。問題はコンピューター画面に表示されるものの、従来の英検のようなマークシートを塗りつぶす方式(R・L)と文を手書きする方式(W)を採る。しかしスピーキングは答えを吹き込む方式だ。

S-CBTはいわば受験生専用。英検CBTは、大学受験のための受験生と、一般の受検者が混在する形になるが、セキュリティーに関しては問題ないと協会は言う。

民間試験では受験年度の4月~12月の間に受けた2回の成績が、出願資格や加点などに活用される。英検の場合はS-CBT、CBTともに、それぞれ4月~7月、8月~11月の期間内に1度ずつ計2度の受験ができる。

S-CBTは2段階の申し込みが必要

S-CBTでは11月11日17時まで、2020年度第1回検定(4月~7月)の予約申し込みを受け付ける。予約申し込みをした者だけが本申し込み(20年2月)ができる。予約には検定料の一部の3千円が必要となる。S-CBT、CBTともに、個人がインターネットを通じて申し込むことになっている。S-CBTの21年度以降の実施概要は決まっていない。

CSEスコアでCEFR判定

民間試験での英検の成績は、受験した級の合否判定のほかに、テスト結果を数値化したCSEスコア、国際基準で6段階のCEFR判定が大学側に提供される。CSE は Common Scale for English の略。近年、英検を受験した人に送られる合否結果には、合否判定とともに CSE スコアも記載されているはずだ。

2015年度までの英検の一次試験(R・W・L)の配点は、R がほぼ半分を占めていたが、現在は4技能すべてが同じ配分になっている。準2級は各600(満点は2400)、2級で各650(同2600)となる。

出願資格や加点の基準となる CEFR 判定は、この CSE スコアによって決まる(表参照)。東京大など CEFR の A2を出願資格とする大学の要件を満たすには、準2級または2級を受験し、CSE スコアで1700以上取る必要がある。3級では最高点でも A1扱いとなる。同じく、準2級は A2扱い、2級は B1扱い、準1級は B2扱いにとどまる。受験者は、志望校・学部が求めているレベルを事前に把握して受験する級を選ぶ必要がある。

英語検定表(縦outline)

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