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「その日に復習」は効果薄? 目からうろこの効率がいい学習法

2019.11.05

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沢辺 雅俊
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効率のいい学習法には、どのようなものがあるのでしょうか。『進化する勉強法』(誠文堂新光社)などの著書がある日本女子大学の竹内龍人教授(実験心理学)に教えてもらいました。「目からうろこ」と驚くかも……。ぜひ参考に!

集中より分散学習 実験心理学からわかった効率的勉強法

「中高生、とくに受験生はいそがしいので効率のよさは非常に重要」。竹内さんはこう話します。おすすめの勉強法の一つが「分散学習」です。教わってから適度に「間(時間)」をあけて復習に取り組むという方法です。

間をあけることに不安を感じたり、同じことをくり返したくなったりしがちです。でも、理解した直後に同じことをくり返す「集中学習」は分散学習とくらべ、効果は高くありません。直感的に「ん?」と感じるかもしれませんが、いろいろな実験から分散学習の効果は明らかだといいます。ピアノの練習が一例。竹内さんは「発表会の前などは同じ曲ばかりをくり返したくなりますが、別の曲も弾いたほうがうまくいく。本人もびっくりするかもしれませんが」。

部活動などをがんばっているみなさんの場合、合点がいくことがあるかもしれません。たとえばテニスのスピンサーブ。練習した日はうまくスピンをかけることができませんでしたが、次の日に打ってみるとうまくスピンがかかって……同じような経験をしたことがある中高生は少なくないはずです。竹内さんは「学習でも運動でも記憶が固定するには時間がかかる。固定されないうちにいくら水を注いでも、コップからあふれてしまうようなものでは」と推測。「分散学習などは脳のしくみとも合致しているので効率がいいともいえる。何歳になっても役立つので、ぜひ覚えておいてほしい」

640xエンスタ竹内先生

「1:4」で体系的に計画

実験では「分散学習」の期間は「学習してから復習までの時間」と「復習してからテストまでの時間」が1:4程度のときにいちばん得点が高くなりました。授業を受けてから50日後にテストがあるというなら、授業から約10日後に復習するのがよさそうです。

日々の取り組みに対して、どのように取り入れるといいのでしょうか。入試本番は「目標」とするにはちょっと遠いので、1カ月(30日)後の模擬試験や定期試験などを想定。よくありがちな誤解を解きながら例示してみます。

「1:4なら6日後に一度、復習すればテストまで何もしなくていいわけ?」――。テストの範囲で復習すべき項目は細分化できます。「数学の三角関数」を6日後に復習したら、翌日は「歴史の○○時代の文化」を復習するといった具合に、システマチック(体系的)に予定を組みます。テストの直前には不安なところだけを復習するのもおすすめ。より高い点数をめざすなら、1回だけでなく定期的に復習をくり返します

「じゃあ、授業で教わった日には復習をしないほうがいいってこと?」――。竹内さんが念をおすのは「効率」のとらえ方です。「その日に復習するなというわけではありません。同じ時間をかけるのであれば、直後にくり返すよりも、時間をあけてからのほうがいい、ということ。授業がよく理解できなかった場合は、その日のうちに復習して理解すべきです」

小テスト形式も効果あり

テスト効果」という実験結果も期待できそうです。小テストをくり返すことで思い出しやすくなるもので、たとえば漢字の練習ではお手本を見ながら書くよりも、何も見ずにテストのようにして臨むほうが頭に残ります。ラインマーカーでテキストにある重要な語句を塗ってシートで隠す方法も、ただテキストを読むよりも効果があります。

系列位置効果」もみなさんの取り組みに利用できそう。勉強するときの順番で最初と終わりのほうに取り組む内容ほど、記憶に定着するという効果です。

「絶対に覚えたい」という内容なら、勉強の最初と終わりで実践。このとき、中盤に取り組んだ内容は次に勉強するとき、最初と終わりのほうに配置するなどと工夫するのがよさそうです。

 ※朝日中高生新聞2019年10月6日付

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