「好き」から始めるプログラミング

筑波大合格者が説く AO・推薦入試にも役立つプログラミング

2019.10.23

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相川 いずみ
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小学校での必修化を前にプログラミングを始めるお子さんが増えています。一方で、保護者からすれば「将来、役に立つのか」「どんな力がつくのか」という点が気になるところです。

検定資格やコンテストが多数! 中学入試での導入も 

ひとつの指針となるのが検定です。小学生向けでは、日本商工会議所主催の「日商プログラミング検定」や、10段階の級で習熟度がわかる「サイバーエージェント キッズプログラミング検定」などがあります。プログラミングコンテストも多数、開催されていますので、入賞を目標に励むのもよいでしょう。

コンテストや検定で成果が出せれば、大学の入試にも生かせます。例えば、数学や物理と並ぶ「国際科学オリンピック」の一つで、各国の高校生以下の生徒がプログラミング能力を競う「国際情報オリンピック」で好成績を残せば、東大や京大、慶応大などの推薦入試の条件を満たせます。

首都圏の私立中学でも「プログラミング入試」が広がっています。今年は駒込学園駒込中学(東京)が「STEM入試」、聖徳学園中学(同)や大妻嵐山中学(埼玉)、相模女子大学中学部(神奈川)はScratchやプログラミングロボットなどを用いた試験を行いました。

デジタルアートが高評価 AO入試で筑波大に進学した浪川洪作さん

高校3年で制作したデジタルアート作品の高い技術と発想力が認められ、昨年の筑波大のAO入試(同大での呼称はAC入試)に合格した浪川洪作さん(18)は、中学、高校時代は部活に全力で取り組む学校生活を送りつつ、一方でプログラミング教室に通ってスキルを磨きました。「プログラミングの技術だけでなく、自分の『引き出し』も大切」という浪川さんにお話を聞きました。

将来につながるプログラミング
浪川洪作さん

 
プログラミングとの出会いは中2の時に参加した、姉が通っていた中高生向けのプログラミング教室「Life is Tech!」の体験会です。その後、高1の終わりまで「Webサービスコース」などでHTML(ウェブサイトの文書を構造化する言語)やCSS(サイトのスタイルを指定する言語)といった技術を広く学びました。中学入学後、勉強は学校の授業だけでした。熱中したのが部活のジャグリング(箱や球などを空中に投げ上げて操る曲芸)で、毎日練習しました。高校では部長を務め、公演もしました。
引退後も毎年春に開催される記念祭(文化祭)の実行委員を務めたので、高3の春まで受験準備は一切しませんでしたが、「プログラミングでAO入試を受けようかな」という考えも頭の片隅にありました。当時はAO入試でアピールできるだけの実績がなかったのですが、「未踏ジュニア」(一線のIT専門家らが若手を育成する、一般社団法人主催の支援事業)に応募したところ採択され、さらにアート作品が評価されて「スーパークリエータ」に認定される実績ができたので、筑波大を目指しました。
プログラミングだけでなく、ジャグリング部で培ったパフォーマンスの経験が、今の自分の大きな「引き出し」になっています。「人に感動してもらいたい」「楽しんでほしい」という思いが、制作や開発の動機になっています。プログラミングは、その表現の「手段」という位置づけです。部活もプログラミング教室も、両親が好きなことを自由にやらせてくれました。自主性を重視する校風も私に合っていました。こうした環境も大きかったと思います。プログラミングを学んだからといって、必ずしもプログラマーを目指す必要はありません。私の場合は、もともと興味を持っていたメディアアートの分野とプログラミングを組み合わせました。自分がやりたい分野、自分しかできない分野と組み合わせることで、プログラミングのスキルがより生きてくると思います。

最後に浪川さんは、子どもをもつ親に向けて、以下のようなメッセージを語ってくれました。

僕の場合は、両親が部活やプログラミング、受験もやりたいようにやらせてくれたことで、結果として存分に楽しむことができました。 何かを「やってみたい」と子どもが思っている時に、親に反対されることはつらいでしょうし、また、やりたくない習い事などをやらされるのもつらいものです。義務で学ぶことは学校の勉強だけで十分だと思っています。
親が、子どものプランを練りすぎるのではなく、フットワークを軽くする、そういう気持ちの持ち方をするのが大切なのでは、と考えています。その時に「今は、これをしなければならない」と思っても、この変化の激しい現在では、例えば中学、高校を経た6年後にそれがどうなっているかわからない。そういう意味でも、どうなるかわからないけれど、「とりあえずやってみよう」と、子どもに選択肢をあたえるのはよいことだと思います。 ただし、パソコンやインターネットの使い方については大人がチェックし、道徳的・法律的な観点から「やってはいけないこと」をきちんと伝える必要があるとも思います。

話を伺った人

なみかわ・こうさく

筑波大情報学群情報メディア創成学類在籍

武蔵高校3年だった2018年、複数のスマートフォン上でウェブブラウザーを同期させて動かし、立体音響を実現するシステムを開発。作品「Sound in the forest-複数のスマートフォンによる『動く音』の表現」を発表し、「未踏ジュニア」のスーパークリエータに認定された。
【参考リンク】
未踏ジュニア
・未踏ジュニア2018年度 最終成果報告会(浪川さんの発表動画)Sound in the forest - 複数のスマートフォンによる「動く音」の表現

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