国語のチカラ ~読解力アップの教科書~

中学入試に頻出!ことわざ・慣用句・四字熟語の学習法

2019.10.24

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南雲 ゆりか
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中学入試の国語では、読解問題とは別の独立した大問(以下、独立問)として、語句知識の問題が出題されることがあります。独立問で出題頻度がとても高いのが、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」です。今回は、これらの学習方法についてお話しします。

●なるべく低~中学年のうちから親しんで

ご存じのように、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」の学習まんがや参考書などは、たくさん出回っています。触れる機会が多いほど身につきますので、なるべく早いうちに手に取っていただくとよいでしょう。ことわざの学習まんがであれば、小学1年生からでも理解できるでしょう(いわゆる「犬棒かるた」などを使って遊ぶのも楽しそうです)。 慣用句や四字熟語は、3、4年生くらいからでも構いません。

使用する教材は、「お子さんが楽しく読めるもの」を基準に選んであげてください。ちびまる子ちゃん、ドラえもん――。漫画のキャラクターが案内役でも、きちんとした出版社から出されているものは、内容もしっかりしていますから、心配はいりません。

「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」は、中学受験をする、しないに関わらず、子どもたちに身につけてもらいたい教養のひとつです。

●中学受験を意識した学習は?

先ほど、中学入試の国語では、独立問として出題されることがあるとお話ししました。学校側には、言葉を学ぶ意欲やきちんと学習して知識を身につけているかをみる、というねらいがあるのでしょう。実践女子学園中学校では、出題のねらいのひとつとして「言葉に対する豊かな知識や感性をもっているか」を挙げています。

それでは、具体的にはどのように出題されているか、実際の入試問題を見てみましょう。

まずは、ことわざの基本的な問題です。
問い 次の(1)~(5)のことわざの□にあてはまる漢字一字を、それぞれ答えなさい。
(1) □に腹はかえられぬ
(2) 雀□までおどり忘れず
(3)雨だれ□をうがつ
(4)□の顔も三度まで
(5)船頭多くして船□にのぼる

【答え:(1)背 (2) 百 (3)石 (4)仏 (5)山】
(実践女子学園中学校 2018年度)

次に、慣用句の比較的解きやすい問題です。
問い 次の(1)(2)の□に(  )の意味に合うようにそれぞれ漢字1字を入れ、文を完成させなさい。
(1)おもしろい話に□を抱える。(おかしくてたまらずに大笑いする。)
(2) 母のお小言が□に痛い。(他人の言葉が自分の弱点をついていて聞くことがつらい。)

【答え:(1)腹 (2) 耳】
(國學院大學久我山中学校・2019年度)

次の問題では、慣用句の意味を理解しているかどうかが問われています。
問い 次の(1)~(5)の慣用句とほぼ同じ意味の言葉を、後の(ア)~(ク)の中からそれぞれ選び、記号で答えなさい。
(1) 舌を巻く  (2)こしを上げる  (3)うでを上げる  (4)かたを貸す  (5)目から鼻にぬける
<語群>(ア)感心 (イ)上達 (ウ)予感 (エ)実行 (オ)軽視 (カ)助力 (キ)残念 (ク)利口  

【答え:(1)(ア)  (2)(エ)  (3)(イ)  (4)(カ)  (5)(ク)】
(明治大学付属中野中学校・2019年度)

次は、四字熟語の問題です。
問い 次の(1)(2)の□には、それぞれ同じ漢字が入ります。ふさわしい漢字を答えなさい。
(1) □世□代 (2)以□伝□ 

【答え:(1)一 (2)心】
(國學院大學久我山中学校・2019年度)

「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」は、6年生の夏休みが終わるまでには、7~8割できているように仕上げておけるといいでしょう。自分で「コレ!」と決めた問題集、塾のテキストなどを何回も繰り返して、できないところをつぶしていくようにします。出題されるものはだいたい決まっているので、受験を意識した問題集を1~2冊こなせばカバーできます。

もし、6年生の夏休み以降に、これらの項目が弱いと気づいてしまった場合には、時間にも限りがありますから、新しい問題集には手を出さず、塾のテキストやテストで間違えたところをしっかり復習して、覚えるようにすると効率がいいと思います。

●子どもたちが得意なのは「ことわざ」、苦手なのは「慣用句」「四字熟語」

南雲国語教室での様子を見ていると、子どもたちにとって定着がよく、得意なのが「ことわざ」、覚えるまでに時間がかかるのが「慣用句」「四字熟語」のようです。

ことわざは知恵や教訓を含んだ言い回しに興味を持って学べるようです。「さる」がうっかり木から落ちたり、かっぱが川に流されたりしている様子など、イメージも描きやすいのでしょう。

一方、慣用句、四字熟語は、言葉をあつかうようになって10年そこそこの子どもたちにとっては、なじみの薄い言葉です。そうしたものは、とっつきにくいのですね。

ことわざの学習は、お子さん自身にまかせておいても大丈夫かと思いますが、慣用句と四字熟語は、少しおうちの方のサポートが必要です。どんな場面でどのように使えばよいか、用例を教えてイメージをふくらませてあげると、意味も覚えやすくなります。また、できる範囲でよいので、日常の会話の中で意識して慣用句や四字熟語を使い、お子さんと話してみるのもいいでしょう。興味をもってもらうためのきっかけをつくってあげることが大切です。

●「覚え」を定着させるにはゲーム感覚で遊びながら学習しよう

どうしても無味乾燥になりがちな暗記学習ですが、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」はクイズ形式にしやすい分野です。お子さんと問題を出し合ったり、「手」を含む慣用句を交代で挙げていったりと、少しでも印象に残る形で覚えられるよう手助けしてみてください。タブレットに教材の画像を取り込み、暗記学習用のアプリを活用して、「覚えさせる工夫」をされている保護者もいらっしゃいます。

一生懸命覚えたのに、10日もするとすーっと忘れてしまう、ということもよくあります。がっかりせずに、忘れたらまた覚えればいい、くらいの気持ちで学習を重ねましょう。2~3年かけて学習していけば、6年生の終わりくらいにはかなり定着するものです。

できるだけ早くから始めたい、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」の学習

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