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学生数日本一の女子大「武庫川女子」 ライフプラン描ける学びで時代を先取り

2019.10.16

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原子 禅
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女子大で学生数日本一(朝日新聞出版「大学ランキング2020」から)の武庫川女子大(兵庫県西宮市)。2020年に新たに3学部を設置し、その規模はより大きくなる。女性の社会での活躍を後押しするきめ細かなサポートで、共学校に引けを取らない「女子総合大学」化を進める。(撮影/MIKIKO)

時代を読み、先手を打つ

武庫川女子大の母体となる武庫川学院は1939年に創立され、今年で80周年を迎えた。大学はその10年後の49年に開学した。

 「当時、女子が進学する場合は短期大学が主流でしたが、あえて短大より先に4年制大学を設立しました。本学は伝統的に時代を一歩先取りする傾向があると思います」

武庫川女子大が学生数を伸ばしている理由の一端を、瀬口和義学長はこのように話す。62年に薬学部を設置したのも、「女性の社会進出には資格が重要になる」との認識からだった。

 「今ほどグローバル化が進んでいない90年には、米・ワシントン州にアメリカ分校も開設しました。これまでに約1万3千人の学生がここで国際感覚を磨きました」

2020年には経営学部など、新たに3学部が設置される予定だ。学芸学部の1学部のみでスタートした大学は、72年目に10学部17学科となる。

 「共学の大学に引けを取らない『女子総合大学』にならなければと考えています。私が赴任した1970年代と比べると、学生たちは積極的に社会と関わっており、教員たちにもそのきっかけづくりに力を入れてもらっています。学部の設置についても、これで終わりとは考えていません」

瀬口和義学長
瀬口和義学長。1975年から同大で教鞭をとる

ライフプランを描けるような学びを

経営学部の設置について瀧居豊事務局次長は「宿願であり、チャレンジ」と話す。

「実は経営学部は20年以上前から設置を考えてきました。本学は資格取得の分野は充実していますが、社会科学を学びたいという学生に対する受け皿がありませんでした」

時代が進むにつれ、資格職に限らず一般企業への就職を考える女子学生が増えた。そのため、女子大では社会科学系を学べないからと、共学の大学へ進学するケースが多くなっている。

「ですから、いい面は残しつつも『女子大』から『女子総合大学』へと脱皮しなければなりません。ライバルは共学の大学です」

そのカリキュラムは、女子大ならではのものを用意しているという。

 「学問としての中身は共学の大学と変わりませんが、女性が社会で活躍するための実践力を鍛えるプログラムを用意しています。また、結婚、出産、育児なども含めたライフプランを描けるような学びを提供したいと考えています」

瀧居豊事務局次長
瀧居豊事務局次長は、「時代とともに女子大のあり方も変わってきている」と話す

令和は女性がよりいっそう活躍する時代

80周年を迎えた武庫川学院は100周年に向けて「MUKOJO ACTION」を立ち上げ、「一生を描ききる女性力を。」というビジョンを策定した。瀬口学長はその目的を次のように説明する。

 「自らの道を主体的に切り開き、個性豊かな人に育ってほしいという思いを込めています。令和はよりいっそう女性が活躍する時代となります。本学は、その先頭を走りたいと考えています」

昨年度の卒業時に行ったアンケートでは、95%以上の卒業生が「この大学に入って良かった」と回答。「これには正直驚きました」と、学長の顔もほころんだ。

MUKOJO ACTION
武庫川学院100周年に向けて立ち上げた「MUKOJO ACTION」のポスター

メモ

武庫川女子大学 1949年に開学。教育理念は「高い知性、善美な情操、高雅な徳性を兼ね具(そな)えた有為な女性を育成する」。2020年度から食物栄養科学部、建築学部、経営学部が新設され、10学部17学科となる。本部所在地は兵庫県西宮市池開町。学部学生数は8098人(2019年5月1日現在)。

女子大で学生数日本一 武庫川女子大学

<コラム> 女子大離れが最初に言われたのが、1990年代である。その後、伝統校も含め、危機意識を持ち、さまざまな教育改革に取り組んできた。既存の女子大のイメージを変えるような法学部の設置(京都女子大)、建築学部の新設(武庫川女子大)など、女子高校生に新しい魅力をアピールしている。いま、女子大の多くでは、女性が社会でどう活躍できるか、キャリアプランをどう形成したらいいかという観点から、リーダーシップ養成の教育が行われている。

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