家族のとなりに新聞を

パリやロンドンは国名じゃない! 地理学習、国名探しは新聞で

2019.10.09

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関口 修司
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  • 中学1年地理の授業 班で協力、新聞を開いて「国名探し」
  • みんなでアイデア「面ごとに分担」「カタカナに注目」、楽しい作業
  • 見つけた国を白地図に、「新聞に多く載る国」「載らない国」ひと目で

「知ってる国の名前は?」 みんなで探せば、主体的・対話的学び

次々アイデア「面ごとに分担」「カタカナに注目」、楽しい授業

小学校を卒業して1カ月、ここは公立中学校1年生の教室です。地理の授業「いろいろな国の名前と位置」が始まります。

先生は「知っている国の名前を発表してください」と口火を切ります。ハイ、ハイと手が挙がります。「アメリカ」「イギリス」「フランス」「ドイツ」「中国」「韓国」「北朝鮮」と続きます。25カ国ほど出たところで、勢いがなくなってきました。

2度目の発言となるところで、「これから新聞を開き、班で協力して国名を探してみましょう」と、先生は指示をしました。教室は新聞をめくる音に包まれ、雰囲気はにわかに和み、班の仲間と協力し、国名を探し始めます。漫然と新聞をめくる生徒が多い中、数人が「国際面だよ」とつぶやきます。すると「ぼくは政治面」「私は社会面」「俺はテレビ欄で」と分担する班も。さらに新たな作戦が飛び出します。「国名は大体カタカナだから、カタカナを拾い出せば簡単」と仲間に伝えます。楽な方法は一気に教室中に広がります。10分後、作業終了。

地図帳と白地図活用して新発見、遠くて知らない国も身近に

先生が「さあ、新聞で探した国名を発表しましょう」と投げかけると、次から次へと発表が続きます。それでも合計で70を過ぎたところで止まりました。先生は次の指示を出します。「発表された国の位置を地図帳で調べて、白地図を埋めましょう」。しばらくすると、班の仲間と交わす声が聞こえだします。それが傑作なのです。

関口コラム(地図)

「パリやロンドンは国名じゃないぞ」「おい、これはプロ野球の外国人投手だぞ」と、いささかお粗末な会話があちこちから聞こえます。「おいおい、中学校の地理だよ」と思ったとたん、これは元小学校長としての責任も大きいと心から反省。先を心配しながら聞いていると、「地図帳には国名は赤い字で書いてある。だから、『台湾』は国じゃないんだ」「『アラスカ』もだ」と発見。さらに「北朝鮮は『朝鮮民主主義人民共和国』」「韓国は『大韓民国』」「アメリカは『アメリカ合衆国』」「イギリスは正式には『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国』と呼ぶんだ」と、新発見が続きました。自ら気付いたことは忘れません。これはまさに「主体的・対話的な学び」です

最後の先生の質問「国名を書き入れた白地図を見て、どう思いますか」への生徒の答えは秀逸でした。「新聞に何度も載る国名と、全く載らない国名がある」「アフリカは出てこない国々の方が多い」「目立たない国を調べてみたい」と。遠い知らない国が、少し近くに感じるようになった時間でした。

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