英字紙記者が読み解く2020大学入試改革

英語民間試験、大学ごとに異なる活用方法 判定に使われるCEFRとは

2019.09.30

author
金 漢一
Main Image

2020年度から日本の英語教育が変わると言われています。小学校での英語の「科目化」に加え、現行のセンター試験を引き継ぐ大学入試共通テストでは、英語で「読む、聞く、話す、書く」の4技能が問われることになります。

英字紙記者が読み解く2020英語改革

受験生の英語力を測るため新たに導入されるのが、英検やGTECといった様々な民間試験(英語外部試験)です。英語教育の制度の変化とその対応などをさぐる本連載の初回では、まずこうした民間試験に焦点を当て、試験方法などを整理してみました。

現在のセンター試験の英語は、「読む、聞く」が中心。約50万人にものぼる受験生全員の「話す」力を測るのは人的・物的に難しい。そこで、大学入試センター作成の共通テストに加えて、一定の実績のある民間試験を活用して4技能を判定することにした。

大学入試センターが対象として認める試験は7種類(=下部の表参照)。英検のようになじみのある試験が含まれる一方、留学志望者でもないと聞き慣れないものもある。

高校3年生や既卒者は4~12月の間に受けた2回の民間試験の成績だけが大学提供用に登録される。試験に慣れるために高2までに何度も受けることも可能だ。高3時に3回以上受けた場合は、早い時期に受けた2回分の成績が登録される。病気などで受験できなかった者については、前年度の成績を活用するなどの例外措置もある。

大学により活用方法に違い

民間試験をどのように活用するかは、大学や学部によって異なる。一定の成績を受験の「出願資格」としたり、大学入試センターが作る共通テストの成績に「加点」する方式をとったり。東北大や慶応大のように一切活用しないところもある。受験生は、自分の志望先の方針を事前に確かめておく必要がある。

「CEFR」とは?

近年、英語の入試改革とのからみで耳にする機会が増えているのが「CEFR」という英語4文字だ。Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching assessment の頭文字をとったもので「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」と訳される。異なる言語に対して、運用能力を比較できる尺度として利用されてきた。

CEFRには六つの等級があり、A1から始まりC2が一番高い。英語の民間試験では、出題傾向や採点の仕方などがさまざまなため、成績をCEFRの等級に当てはめて比較可能にした上で合否判定に活用しようとしている。例えば、東京大は出願資格をA2としつつ、民間試験の成績を必須としないと発表している。A2を英検に当てはめると、準2級から2級程度。「加点方式」を採用する大学の中には、6等級のそれぞれに応じて何点加点するかを明らかにしているところもある。

今回の方式で実施されるのは、2020年度から23年度まで。今春、中学2年生に進んだ生徒以上があてはまる。24年度以降は次期学習指導要領に基づいて、さらに見直される予定だ。大学入試センターの共通テストがなくなり、民間試験のみとなる可能性もあるという。

一方で、民間試験は、会場や受験料、実施回数などがまちまちで、受験機会の均等性が保てるのかといった問題は解決されていない。「目的が異なる試験で測るのは乱暴だ」「民間に丸投げでいいのか」という批判も少なくない。

次回はまず、英検について。特に1日で4技能すべてを測る「1日完結型」を導入した新型の英検に迫る。

2020年英語改革 「民間試験」どう活用される?

Asahi Weeklyは朝日新聞社が発行する週刊英字新聞です。

Latest Articles新着記事