中学進学 グローバルという選択

武蔵野大中高 起業家精神を養う米国研修 生徒の可能性広げたい

2019.09.19

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柿崎明子
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従来のインターナショナル選抜に代わり、来年度から高校に「PBLインターナショナルコース」を開設。英語に加えディベートやプレゼンテーションのスキルを磨く。

米MITで研修

7月末、米国ボストンに向かう生徒たちの心細げな顔が、2週間後には自信に満ちた表情に変わっていた。武蔵野大学中高(東京都西東京市)の生徒が体験したのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)が行っている、起業家精神を育てるためのプログラム「アントレプレナーシップ海外研修」だ。一流の起業家たちの講演を聞くかたわら、グループで課題を設けてワークショップを行ったり、話し合ったりする。最終日は起業家やMITの学生などの前で、成果を発表した。今回参加したのは中3から高3までの30人。これだけのプログラムをこなすにはハイレベルな英語力が必要に思えるが、「語学力は問題ではない」と日野田直彦校長は言い切る。

「講演したのは、世界最高峰の3Dプリンターを作るなど、本気で世界を変えてやろうと思っている人たち。言葉はわからなくても、そのパッションは通じます。生徒のプレゼンにしても、英語がつたなくても伝えたいという思いがあれば相手に届くものです」

帰国した生徒は、言葉が通じなかった悔しさから、自ら進んで英語を勉強するようになるそうだ。

もともとは東京・築地本願寺内に創設された仏教系の女子校だった。現在地(西東京市)に移転して90周年となる今年、武蔵野女子学院中高から校名変更し、中学を共学化した。武蔵野女子学院時代の国際交流コースの流れをくむ高校の「インターナショナル選抜」は、来年度から「PBL(Project Based Learning)インターナショナルコース」として改編する。英語だけでなく、ディベートやリサーチ、プレゼンテーションなどのアカデミックなスキルを身につけ、世界で活躍できる人材を育成する。進学先として海外の大学、国際系学部などを想定している。

武蔵野大学中高 起業家精神を養う米国研修 生徒の可能性広げた
グループワーク。「未来の世界」をテーマにみんなで話し合う(同校提供)

新授業「言語」をスタート

日野田校長は「英語は実技」だと話す。

「自転車に乗れるようになるために、座学から始める人はいません。最初から実践して体で覚えます。英語も同じです」

前任の公立高校で世界のトップ大学へ進学者を送り出し、改革派校長と呼ばれたが、改革という言葉は好きではないそうだ。

「改革というと、今までやってきたことを否定するイメージがある。やり方が悪かったのではなく、時代に合わなかっただけのこともある。上から否定しないで、現場の意見をくみ上げるボトムアップでやっていきたい」

そう話す日野田校長は、「失敗を恐れず、何にでもチャレンジしてみよう」と生徒と教員を鼓舞し、学校のムードを変えつつある。今年の4月から英語と国語がコラボした「言語」の授業がスタートした。英語と国語の教員が一緒に、教材作りや授業の内容について話し合っている。自分の考えを整理して正確に伝えるスキルを鍛えるとともに、多様な考えを受け入れるマインドを育てる。

「教員は一丸となって、学校をよりよくしようとしています。生徒もいろいろなことに挑戦し、可能性を広げてほしいですね」(日野田校長)

武蔵野大学中高 起業家精神を養う米国研修 生徒の可能性広げた
新しくなった学校について、ホワイトボードに書き込んでいく(同校提供)

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