中学進学 グローバルという選択

関西学院千里国際中高 インターナショナルスクールと校舎も学校行事も一緒

2019.09.18

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柿崎明子
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一般の中学・高校とインターナショナルスクールが校舎を共用する。日本人は原則として関西学院千里国際中高(SIS)に入学するが、関西学院大阪インターナショナルスクール(OIS)と共通の授業もある。

IB授業を履修の道も

関西学院千里国際中高(SIS、大阪府箕面市)は、一つの校舎を関西学院大阪インターナショナルスクール(OIS)と共用するユニークな学校だ。21世紀に向けた新しいグローバル教育を実践する学校として、1991年に設立された。開校当初から帰国生の受け入れを積極的に行っており、半数の生徒が海外のバックグラウンドをもつ。

併設のOISは、日本に滞在する外国籍の子どもが対象のインターナショナルスクール。幼稚園から高校までの一貫教育を行っており、国際バカロレア(IB)の認定校になっているが、日本の高校卒業資格は得られない。

授業は別々に行うが、「シェアードプログラム」として美術、音楽、体育は両校の生徒が一緒に英語で受ける。SISの英語力が一番高いレベルの生徒は、中3の秋からOISのIB英語の授業を履修することができる。日本語が苦手な帰国生は、OISの日本語クラスで初歩から学べる。図書館やカフェテリア、体育館などの施設を共有し、授業以外の学校行事、クラブ活動などは一緒に行う。

「一つの校舎で学んでいるので、生徒同士、自然と親しくなりますね。行事やクラブ活動を通して、より交流を深めています」(井藤眞由美SIS校長)

特徴的な行事が、2月に催される英語のミュージカルだ。配役はオーディションで決め、バックミュージックもテープではなくオーケストラピットで生徒が生演奏する、見応えある本格的な舞台。大道具や小道具、衣装、パンフレット、字幕の作成と、すべて生徒が担当する。春は学園祭、秋はスポーツデイが開かれ、行事を通じて生徒同士の絆が強くなるという。

大阪インター提供図書館
広々として居心地のいい図書館。英語の本や新聞、雑誌もそろう(同校提供)

英語の授業は習熟度別に5段階

一般生入試で入学する生徒と帰国生入試で入学する生徒の間には英語のレベルに開きがあるため、英語の授業は5段階に分けてコース別に行っている。帰国生も三つのコースに分かれ、ネイティブ教員が英語圏の同年代と同じレベルで実施。英語の学習歴が浅い生徒には、サブテキストにESL(第2言語としての英語)の教材を使い、日本人とネイティブ教員が週計6時間行う。中2までに中学3年間の基礎をマスターし、中3の1年間は小説を題材にディスカッションする。第2次世界大戦下のポーランドに住んでいた家族の物語、The Silver Swordなど、大人が読む本を取り上げている。週末には、5段落以上のライティングの課題が出される。

「中3までの文法力があれば文学作品も読めるし、それなりの文章を書くこともできます。日本の英語教育はそれをしない、あるいはできないと思い込んでいる。主人公の心の機微など文学の面白さを味わうには、長編の小説が適していると思います」(井藤校長)

3年間鍛えられた生徒は、高校生になると英語圏の同年代の生徒とほぼ同水準の授業が受けられるレベルに達するという。高校の英語の授業には「通訳」「ディスカッションスキル」「詩」「言語学」などの専門的な科目も設定されている。

「本校は、中学から一部の授業を英語で受けたりOISの生徒と交流したりすることで、日常的に英語を使う環境があることが強み。同世代との会話は、英語を学ぶモチベーションにもなります」  

SISとOISの授業をリンクさせるため、1年間を3学期で構成し、1学期ごとに単位を認定する学期完結制になっている。高校生は自分で科目を選び、自分だけの時間割を作成する。

卒業後の進学先は、系列の関西学院大のほか、海外の大学や各地の国公私立大、音大や美大など幅広い。

大阪インター提供授業風景
OISの授業。机を囲んで対話形式で行う(同校提供)

関西学院千里国際中等部・高等部のホームページはこちら

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