鉄ちゃんの育て方

電車好きの憧れ! 芝中・高の学園祭でトーマスに乗ろう

2019.09.11

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葉山 梢
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秋は学園祭のシーズンです。芝中学校・高校(東京都港区)の学園祭で、毎年大人気なのが「きかんしゃトーマス」のミニ電車。実は、技術工作部の生徒たちが設計から組み立てまで手作りした電車なのです。

本物そっくりのトーマスたち

トーマスにジェームス、パーシー、ヘリコプターのハロルドまで、ずらりと並んだキャラクターたち。2000年から歴代の部員たちが作ってきたものです。

 ライセンスを持つソニー・クリエイティブプロダクツの許諾も得ており、細かいところまで本物そっくり。同社とやり取りしながら、設計図から自分たちで引きます。キャラクターの顔は型に樹脂を流し、車体は鉄板を曲げたり切ったりして作っています。1台作るのにかかる期間は1年以上。モーターで動きますが、ピストンや車輪は蒸気機関車と同じように動くなど、細かいところまでこだわっています。

 現在はエドワードがけん引している炭水車を設計中。中3の川村吾心さんは「5インチスケールなので、本物のイメージを壊さないように縮尺を変えるのが難しい」と話します。単純に縮めるだけだと、本物のように見えないのだそうです。川村さんは小さい頃からトーマスのファン。「学園祭で見たトーマスを作ってみたい」と同校を受験したとのこと。将来も「何らかのものづくりに携わりたい」と言います。

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電車の内部の配線をチェック。子どもたちを乗せるので安全性は最優先=9月5日、東京都港区芝公園の同校

 鉄道ジオラマはコンテスト常連

鉄道ジオラマもコンテストの常連です。今年の作品は、線路の上をまたぐように神社がある珍しい風景。JR赤羽駅近くに実際に存在する場所を再現しました。

 「父と一緒にこの神社に行ったとき、思ったより人が少なかったんです。もっと知ってほしいと思って作りました」と中3の堀龍成さん。もとは鉄道の写真を撮るのが好きな「撮り鉄」でしたが、技術工作部に入ってからは、すっかり模型にはまっているそうです。

 部員4人で現地調査をし、高架下のプレハブなども本物そっくりに制作。今年の全国高等学校鉄道模型コンテストのモジュール部門でベストクオリティー賞を受賞しました。

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神社が線路をまたぐ珍しい風景を再現したジオラマ=9月5日、同校

電気工事士の資格も取得

 技術工作部の部員は現在37人。鉄道、自動車、船舶飛行機の3班があり、22人が鉄道班に所属しています。

部員は全員、中3から溶接に取り組み、火花の上がる切断機も使います。「最初は『無理』と言っている生徒も、数カ月たつと余裕でできるようになっている」と顧問の寺西幸人先生。同校は進学校ですが部活動もさかん。技術工作部は部員の多くが電気工事士や危険物取扱者の資格を取得し、配線やガソリンの扱いもお手の物です。

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火花の上がる溶接も全員できるようになるという(高2の岡崎圭吾部長撮影)

 電車を走らせる線路も、パーツを作る彫刻機も自作。これらは他校にも販売し、売り上げを活動資金に回しています。出納の担当者は簿記の資格を持っており、毎年決算表まで作っています。

「一番鍛えられるのはコミュニケーション」と寺西先生は言います。「情報を共有し、協力して作らないとゴミの山ができるだけ。イベントの運営も、資料を作って綿密に打ち合わせをしています」

 部員たちは「イベントで子どもたちに喜んでもらえるのが一番うれしい」と口をそろえます。今年の芝中学校・高校の学園祭は9月14、15日に開催。トーマスのミニ電車が校庭に敷かれたレールを走り、無料で乗車できます。

同校のホームページはこちら

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鉄道模型コンテストの会場で走るミニ電車=7月、東京都江東区の東京ビッグサイト(中3部員の川村吾心さん撮影)
クラスに必ずいる鉄道ファン、通称「鉄ちゃん」。不定期連載「鉄ちゃんの育て方」では、鉄道をこよなく愛する子どもを育てる保護者の方々に向け、子どもの鉄道愛を単なる趣味に終わらせず、学習や人間的成長に生かしていくためのすべを考えます。

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