家族のとなりに新聞を

「気持ち悪い」新聞と出会った子供たちが「面白い」と感じるように変わった理由

2019.09.11

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関口 修司
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  • 新聞と出会った子供たち、最初は「わっ気持ち悪い!」
  • この言葉を聞いた校長、「やらねばならない」と決意
  • 「NIEタイム」定着から半年 子供たちは激変、「面白い」へ

始まりは想定外のひと言、1年後には子供たちが激変

子らの思いがけない反応受け、校長が決意「やらねばならない」

新聞の楽しさに出会った子供たちの変化についてお伝えしてきました。とはいえ、初めからみんなが前向きだったわけではありません。

新聞を活用する「NIEタイム」のスタートから、さかのぼること半年。小学校の校長に着任して間もない頃の休み時間の出来事です。3人の5年生が廊下から校長室をのぞいています。新校長に興味津々の子供たちは、私の一挙手一投足を観察しています。ふと視線を上げると、目が合った子供たちは一目散に逃げ出そうとしました。私はうれしい「来賓(らいひん)」を逃すまいと、すぐに「どうぞ、いらっしゃい」と声を掛けました。

恐る恐る入ってきた子供たちは、すぐに人懐こく学校の様子を語り始めました。相づちを打って聞いていると、「校長先生、今、何していたの?」と質問。「新聞を読んでいたよ」と答えると、「面白いの?」「読んだことないよ」と子供たち。「じゃあ見てごらん」と、新聞を開いて見せたとたん、想像もつかない言葉が返ってきました。

「わっ、気持ち悪い!」と口をそろえたように、つぶやいたのです。しばらくは声も出ませんでした。気を取り直して、「どうして気持ち悪いの?」と聞くと、「いっぱい字が並んでいるのを見ただけで、気分が悪くなる」「こんなの読みたいなんて思えない」と口々に答えました。校長として学校ぐるみでNIEに取り組みたいと思っていましたが、子供の実態を無視して進めるわけにはいきません。しかし、この言葉を聞いて、「やらねばならない」と、かえって踏ん切りがつきました。

「NIEタイム」定着半年、積み重ねの成果に校長にんまり

それから1年後、「NIEタイム」が定着してから半年がたちました。「気持ち悪い」とつぶやいた子供たちは6年生になっていましたが、その後もメンバーを変えて校長室を訪ねてくれていました。ある日、文字の並ぶ新聞を開いて見せてみました。

関口コラム2

どれ、どれ?」「どこに面白い記事があるの?」「これはテレビのニュースでもやっていたな」「詳しく書いてあるね」。子供たちは、新聞を囲むように頭を寄せ、勝手にしゃべり始めました。週に1回、朝学習の時間に新聞を読み、関心のある記事を切り取り、要約したり感想を書いたりする。積み重ねの効果が表れました。

「これだ。これこそNIEの成果だ」と、一人にんまり。「気持ち悪い」が、いつの間にか「面白い」に変わるって、ちょっとすごくないですか。

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