連載・親子で「考える」を動かそう! SDGs編

(第3回)今回のテーマは「状況に応じた表現、使い分けてみよう」 品川女子学院中等部 ・理科

2019.09.05

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日能研
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中学入試ではときに、大きく深いテーマを扱った問題が出ます。SDGsSDGsSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。2015年9月の国連サミットで採択された。スローガンは「誰一人置き去りにしない」。30年までの達成を目指し、17分野の目標(ゴール)と169の具体的な目標(ターゲット)を設けている。 20年度から順次、実施される新学習指導要領でも、児童・生徒が他者を尊重し、多様な人々と協働しながら「持続可能な社会の創り手」となることを求めている。と深いつながりを持つものも少なくありません。SDGs編では、関連する中学入試問題を紹介します。あらかじめ準備できるような模範的な「正解」はありません。世界の課題を「自分ごと」として考える人になってほしい――。そんな出題校の思いが込められている入試問題に触れて、親子でアタマとココロを使って、「考える」を動かしてみませんか?(問題文の一部を変えている場合があります)

3回目は品川女子学院中等部の問題です。

品川女子学院中等部 2019年/理科

植物の葉に光を当てたとき、いっぱんてきに強い光を当てた方がより活発に光合成を行います。このとき、「より活発に光合成」という表現を「定性的(ていせいてき)」と言います。 理科ではよく、この「定性的」なものを具体的(ぐたいてき)な数値で表現します。それを「定量的(ていりょうてき)」と言います。


例えば「今日は昨日より暑い」というのは定性的で、「今日は昨日より気温が5℃高い」というのが定量的です。植物の光合成は二酸化炭素の吸収量によって定量的に表現できます。



(問)本文を参考に、次の(ア)~(オ)の中で定量的な表現をすべて選び、記号で答えなさい。


(ア)明日は問題をいっぱい解く

(イ)明日は今までで1番勉強する。

(ウ)明日は3時間勉強する。

(エ)明日は問題集を20ページ勉強する。

(オ)明日は4科目の中で、理科を中心に勉強する。

日能研の解説

定性的と定量的。科学的にものごとを考えるときに必ず出会う考え方です。 定性的なゴールか、定量的なゴールか、ターゲットを見ながら進む道をイメージしていく――。この考え方はSDGsの17の目標すべてにつながっています。

SDGsの目標について考えるとき、定量的に数値目標を決めることで、具体的に何を目指したらよいかを計画できるようになり、それが達成できたかを測り、分析できるようにもなります。定性的な表現は具体的ではありませんが、伝えたいものの性質・内容は周囲に伝えることができ、相手がそのものごとについてイメージしやすくなります。そのイメージを補完するために定量的な表現(具体的な数字)を利用することもできます。

世界全体で向かう方向を示す場合は定性的、各国それぞれの目標は定量的、というように、この二つの考え方を効果的に使い分けることで、SDGsをより共有しやすく、より明確にし、具体的な施策を考えることができるようになるでしょう。

SDGSコラム3回目用

さて、この問題では、理科でよく使われる定量的なもののとらえ方に目を向けていきます。問題文を読みながら、具体的な数値を使った定量的な表現と、定性的な表現の違いをとらえたうえで、「どのくらい勉強するのか」を表現した五つの文の中から、定量的な表現をしているものを選び出します。

問題文を読むと、定量的な表現とは、たとえば「今日は昨日より気温が5℃高い」のように、具体的な数値を使って量を表すことだとわかります。 (ウ)の「3時間」、(エ)の「20ページ」は、具体的な数値です。これらの具体的な数値を使ってどのくらい勉強するのかを表しているので、(ウ)と(エ)は定量的な表現だといえます。

(ア)の「いっぱい」、(オ)の「中心に」は、具体的な数値ではないので、定性的な表現だといえます。なお、(イ)の「今までで1番」は、数字を使った表現ですが、具体的な量を表していないため、やはり定性的な表現であるといえます。

この問題に出会った子どもたちは、これまで意識せずに使ってきた表現の違いに気づき、普段の生活のいろいろな場面で、状況に応じて定性的な表現と定量的な表現を使い分けたり、自分が伝えたいことを伝えるための工夫をしたりすることでしょう。また、他者が使っている表現についても、定量的か定性的かを意識することで、その意図を探り、どのような受け取り方ができるのかを考えられるなど、「考える」を動かすときに役立てていくことでしょう。

今回は入試問題を通して “考え方”にアプローチしてみました。日々の生活の中でもどうぞ親子で使ってみてください。

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