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入試の過去問対策は時期に合った取り組み方を 目標次第でポイントを変更するのがコツ

2019.09.04

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大島 淳一
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来春の入試をめざす3年生が、本番をイメージした勉強に取り組む時期が近づいてきました。柱の一つが過去問(実際に出題された入試問題)の演習です。受験生にとって最も役立つ教材ともいわれ、この時期から少しずつ活用していくと「合格」に近づけます。時期に合わせた過去問との向き合い方について解説します。

取りかかりの時期 出題傾向をとらえて今後の指針に

過去問にはいろいろな利用法があり、時期によって取り組むねらいが異なります。「出題の傾向をとらえる」「苦手な単元(分野)を見つけ、克服をめざす」「入試レベルの問題を解くために知識を運用する力を高める」「本番を念頭におき、解答するときのペースを身につける」――。こんな具合に活用していきます。

早い時期から取り組む場合、まずは出題傾向をとらえることを第1の目標にしてみます。公立高校なら都道府県ごと、大学なら大学入試センター試験や大学ごとに出題傾向があります。過去問に目を通したり実際に解いたりすることで、どの単元からどんな問題がよく出るのか、どのような形式で出題されやすいのか、大まかにとらえられます。よく出る単元のうち、「苦手だな」と感じるところが、これからの勉強でとくに力を入れるべき「指針」になります。

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市販の過去問には、入試の全体像をとらえるために役立つ情報がもり込まれています。たとえば「解答用紙」。記述式での解答欄がめだつ場合、読解力や表現力が問われる国語や、資料の活用力が求められる社会などの対策に力を入れるのがよさそうです。大学入試センター試験に代表されるように、マークシート方式や選択式で答える出題が多い場合、時間内に多くの問題を処理したり、誤りがある選択肢を見つけたりする力がポイントになります。

この時期に過去問の問題をすべて解く必要はありません。夏休み明けに教わる単元が出題にふくまれているからです。ただし公立高校の入試や大学入試センター試験には基本的なレベルの出題があり、それまでの取り組みがどの程度、身についているかを確認するには最適。理科や社会のように単元が独立している場合、1、2年の問題を過去問から選び、チャレンジしてみるのも一つの方法です。

秋以降は演習 苦手単元を見つけて補強を

秋以降の演習では苦手な単元の洗い出しと、その補強に力を入れます。まちがえた問題は解説を読み、ミスの原因をさぐります。「問題を正確に読めば解けた」「解法をしっかり身につけておけば解けた」「応用力を高める必要がある」と一つひとつチェックします。

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このときに「計算ミスが原因だけど、考え方は正しいからいいや」などと甘めにならないように。入試では考え方が正しければ部分点があたえられる場合もありますが、数点の差が合否をわけることも少なくありません。

「そもそも計算をまちがえたのはなぜか。くり返さないために計算練習も増やそう」などと、ミスを踏み台にして力を高めるように心がけます。

理解が不十分で解けなかった問題は教科書や問題集などから類題を抜き出し、考え方や解き方を確認。身につけなければならない知識事項や、それらをどう組み合わせたら正答を導けるかといった点にも目を配ります。

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入試直前は本番を意識 制限時間内で解く「解答ペース」を身につけよう

入試が近づいてきたら、過去問の演習を通して問題を制限時間内で解く「解答のペース」を身につけます。見直しの時間もふくめて本番と同じ時間で取り組み、その長さをおぼえます。「大問1ができたら、次は大問2」と、順番通りに解く必要はありません。数分ほど解き方をイメージし、糸口が思い浮かばなければ別の問題に移るといった練習も重ねます。得点できる問題を見極め、確実にものにする力を高めることも過去問に取り組む目的です。

こうした演習に取り組む場合、本番と同じような環境をつくることが欠かせません。1日に5教科(科目)の試験を受けるなら、過去問を解くときも休日などを利用し、1日で5教科分に取り組みます。あらかじめ「この日は演習にあてる」と計画を立てておくのがおすすめです。

0811必ず復習

※朝日中高生新聞2019年8月11日付

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