予備校リレーコラム

医学部受験の面接対策は? 合格の秘訣は大学の「アドミッション・ポリシー」にあり!

2019.08.21

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代々木ゼミナール
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  • 面接にあたって「なぜその大学で学びたいのか」を明確にし、本番に近い環境で練習して万全の準備で臨もう
  • 面接での質問内容や形式は様々。コミュニケーション能力や忍耐力なども含め医師としての適性が判断される場であることを念頭に置こう
  • 医療に関連する事項を日頃からチェックし、自分なりに問題点や考えをまとめておこう

医学部志望の受験生にとって、合格の最後の壁となるのは面接です。実際にどんな面接が行われ、面接担当者にどんなことを聞かれるのでしょうか?大学側は面接を通して、受験生の何を見ようとしているのでしょうか? まずは面接の「形式」を見ていきましょう。

医学部面接における面接の種類

・【個人面接】「1対1」の最も一般的な形式
・【集団面接】「受験生・面接担当者ともに複数」。面接担当者にとっては、受験生の比較が容易
・【集団討論】指定のテーマについて話し合う。発言内容よりも全体の流れに乗れているか、他者の話を聞く態度が評価される
・【MMI】「1対1の対話方式」で5~10分程度の面接を複数回行う

なじみのない形式としては、「MMI(Multiple Mini Interview)」型があります。従来の紋切り型ではなく、受験生の本質を丁寧に判定するために行われます。事前の練習や小手先だけでは通用しません。2017年度入試から東京慈恵会医科大と藤田医科大が実施しており、この方式で実施する大学が徐々に増えています。一般入試では、国立の東北大・千葉大、また私立の東邦大も同様の方式を採用しています。

どんな医者になりたいか

志望理由は、アドミッション・ポリシーを参考にしよう

面接の定番の質問は、医師や受験校の志望理由です。なるべくオリジナルな内容を心がけて、大学案内に書かれた言葉を使うのは極力、避けましょう。参考になるのは、各大学の「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」です。各大学からの力強いメッセージだと理解し、自分の特性や将来の希望とアドミッション・ポリシーが合致することを面接担当者に伝えましょう。

例えば、千葉大の場合は、「将来の日本及び世界の医学をリードするような高い志を有する人」とあります。この場合は、自分の「高い志」をいかに具体的に説明できるかがポイントです。「なぜ、他の大学ではなく、本学なのか」という質問にもしっかりと答えられるようにしましょう。各大学が欲しいのは、自分たちの大学にフィットする学生なのです。

また、近年の医学部の面接では、変わり種の質問が増えています。野球に例えると、投手のノーサインの鋭い変化球を、捕手として捕らなければいけない感覚です。回答に唯一無二の正解はなく、どのように対応するかが重要です。将来の医療現場でマニュアルだけに頼るのではなく、いかに臨機応変に対応できるかをみる狙いがあります。こんな出題がありました。

【名古屋市立大】乗っていた飛行機が砂漠に墜落して、生存者は自分だけ。100㎞先に集落があるが、7月で気温は40度。生き残るため、所持品に一つだけ選ぶなら何か(選択肢有り)
【東京慈恵会医科大】両側が崖の道路を自動運転機能の車で走行中に歩行者が飛び込んできた。「車に乗っている人」と「歩行者」のどちらを助けるべきか

医師に向いていると評価されるようにしよう!

そもそも、なぜ面接をするのでしょうか?学科試験では測りきれない医師としての資質や適性などを見きわめるためです。各大学の募集要項に、こんなインパクトのある文言が見られます。「面接試験の評価により医師としての適性を欠くと判断された場合は、学科試験の成績にかかわらず不合格とする」。

各大学が欲しいのは、偏差値が高い人ではなく、医師にふさわしい人。面接のポイントは、「採りたい、うちの大学(自分の手)で育てたい、医師に向いている」と面接担当者に評価してもらえることです。言い換えると、医師に向いていないと思われないように気をつけましょう。

面接風景

面接当日に意識すべきなのは、医師に必要なコミュニケーション能力、忍耐力などが確認されるということ。もうひとつは、「全ての質問は医療と関係がある」ということです。これらの意識が有るか無いかで、面接担当者の評価は大きく変わります。また、注意した方がいいのは、面接は丸暗記してきたことを披露する場ではないということです。面接担当者と対話する、つまり言葉のキャッチボールを行う場です。質問のたびに、自分の考えを自分の言葉で、簡潔で具体的にまとめましょう。

「圧迫面接」についてもふれておきます。これは過度な質問や指摘、威圧感のある雰囲気の面接のことです。特定の大学でみられるというよりは状況次第というのが実情で、圧迫面接もあり得るという意識、打たれ強さをもって面接に臨みましょう。

2択の質問も多く、例えば「自分が患者なら専門知識の多い医師と、コミュニケーション能力の高い医師のどちらを選ぶか」といった質問が挙げられます。回答がぶれるなど、どっちつかずの態度をとるのは避けましょう。将来、医師として判断すべき時は、信念のもとに決め、優柔不断な行動はしないかどうかの資質がみられているからです。

医療知識について、最低限は必要です。医師への意欲を示すためにも、医療関連の時事問題や専門用語は、自分の言葉で説明できるように、次の三項目についてまとめておきましょう。「①辞書的な知識=どんなものか」「②問題意識=どんな問題点があるか」「③意見=自分はどう思うか」です。もしもわからない場合は、背伸びや嘘はプロである面接担当者には通用しないので、正直・素直に「わからない」と言いましょう。

面接風景

アイコンタクトとノックを忘れずに

立ち居振る舞いにも注意が必要です。まずはアイコンタクトが基本です。患者の顔も見ずに診療する医師に診断されたら、どう思うでしょうか?そのほか、全ての回答を「はい」で始めると丁寧な印象を与えます。これはノックしてから部屋に入るのと同じです。そして手や体は動かさないようにしましょう。せっかくの回答の雑音となりかねません。

面接の「練習・対策」は本番のつもりでやることが一番大切です。当日は初対面の大人たち、しかも医師・教授陣と相対するわけで、本番に近い環境を作ってください。つまり家族や担任の先生などではなく、現役生なら校長先生など面識のない人にお願いしてみましょう。質問もありきたりの内容だけでなく、医療に全く関係ないことも含めて、変化球型の質問を多めにしてもらうことが効果的です。

以上のことを念頭に、「最後の高く険しい壁」を乗り越えてください。皆さんの「医学部合格と将来の活躍」を切に願っています。

(教育総合研究所 教育情報企画推進室 川崎 武司室長)

*参考 代ゼミwebサイト
代ゼミ個別メディカルスクール(個別指導)
精鋭プロ講師によるマンツーマン指導で医学部合格をめざします。

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