家族のとなりに新聞を

小学生も3カ月で書けるように! 週イチ朝15分の「新聞活用法」

2019.08.14

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関口 修司
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  • 全校で新聞活用に挑戦した校長時代、「朝読書」の時間に着目
  • 低学年は新聞写真、中・高学年は記事に感想を書く「NIEタイム」
  • 当初は反対や不満の声も、3カ月辛抱の末、「書けるようになった」

全校で「NIEタイム」、週1回15分の積み重ね「やってみよう」

低学年は新聞写真切り抜き、中・高学年は記事に感想コツコツ

それは、うれしい誤算でした。

初めて校長として着任した小学校で、チームとして新聞活用(NIE)に挑戦した時のことです。子供たちに新聞に親しんでほしいと、担任の先生方にお願いして新聞で折り紙やゲームをしました。みんなは確かに新聞の「紙」には親しんでくれましたが、それがゴールではありません。新聞の情報に親しみ、継続的に新聞を読ませるには、どうしたらよいのかアイデアが浮かびません。頭にそのことがこびりつく日々が続きました。

そんな時、目に入ったのが「朝読書」の時間です。「これならできる」とひらめきました。この時間を使えば、毎週1回15分間は新聞に触れることができると思いつきました。授業時間ではないので、学校の年間指導計画を見直したり、各学年の学習指導要領の目標や内容に配慮したりする必要もありません。

問題は何をやるかです。全校の子供に取り組ませたいけれど、細かなマニュアルを作れば、かえってハードルは高くなります。そこで、教員人生で1回だけ低学年の担任だったころを思い出しました。初めは「低学年には無理」と諦めていましたが、試行錯誤の末、たどり着いたのが「新聞スクラップ」でした。お気に入りの新聞写真を切り取らせ、台紙に貼らせます。1年生でも写真なら喜んで選びます。男の子は乗り物や昆虫、女の子は花や犬・猫などの写真を、まるで打ち合わせたかのように選んでいたのには、びっくりしました。低学年はこれでいける。中・高学年は選んだ記事の感想を書かせよう。記事にも様々なレベルがあり、多様なジャンルがあるので、見出しを手掛かりに読めば、全校の子供たちが取り組めると確信しました。

「とにかく3カ月」辛抱の末、「書けるようになった」

とはいえ、校長がいくら力説しても担任の先生が納得しなければスタートしません。「子供には難しい」との反対も予想できました。しかし、ここは少々強引に「まずは、やってみよう」と伝え、「NIEタイム」として見切り発車しました。今から15年ほど前のことです。初めのうちは15分間では終わらず、1時間目に食い込んでしまいました。案の定、先生方から不満の声が上がり、子供たちも「難しい」「めんどくさい」と言い始めました。しかし、この時ばかりは「とにかく3カ月」と言って譲りませんでした。

関口コラム2

 始めて2カ月が過ぎたころ、地道に続けてきた先生方から次々と報告が上がってきました。「子供たち、喜んでやっています」「書けるようになったんです」と。思い思いの記事を題材に、台紙は子供たちの意見で埋まっていました。そして3カ月後、子供たちの取り組む様子を見て、反対する先生方はいなくなっていました。多くの保護者からも「子供との話題が変わり、会話も増えてきました」との感想が寄せられるようになりました。

 「新聞に親しませよう」と始めたNIEタイムでしたが、「新聞から学ぶ」子供たちの姿が毎週見られるようになりました。もちろん、以前に書いたように、その延長線上に学力の向上がありますが、それとは別の思いもよらぬ変化も見られるようになったのです。うれしい誤算は、まだまだ続きます。

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