ゼロからわかる! 2020大学入試改革 おさえておきたいポイントを解説

大学入学共通テストの国語はどう変わる 記述式問題の配点と評価方法は?

2019.08.07

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増谷 文生
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2020年度から大学入試は大きく変わります。何がどう変わり、どんな準備が必要なのか。新しい入試制度で受験することになる中高生や保護者のみなさんの疑問に、朝日新聞社会部で大学入試や教育問題を取材する増谷文生記者がお答えします!

2020年度から始まる大学入学共通テストでは、国語の試験も大きく変わるそうですね。

国語には、記述式問題が導入されます。共通テストでも選択肢を塗りつぶすマークシート式問題が大半を占めますが、マス目に文章を書く記述式問題が3問出題されます。
このうち最も長いものでは、120字以内の文章を書かせます。ほかに、もう少し短い字数で書かせる問題が2問出題されます。
大学入試センターは、「本番」に向けて問題作成や採点などの課題を探るため、2017年度と18年度の2回、試行調査を実施しました。1回目では、「25字以内」「50字以内」で書かせる問題が、2回目では、「30字以内」「40字以内」で書かせる問題が出題されました。

640xエデュア4回目国語解答用紙_

どんな問題が出るのでしょうか。

1回目の試行調査で出された国語の記述式問題は、学校新聞や生徒会規約、会話文などいくつもの資料を読み、必要な解答を導き出すものでした。
2017年度試行調査の問題はこちら
正解はこちら 

こうした「実用的な文章」の問題形式に慣れていない生徒も多く、すべての解答の条件を満たす「完全正答率」はかなり低くなりました。80~120字で書かせる問題では0.7%という低さで、「これでは受験生の点数に差がつかず、入試に使えない」などと、高校や大学の関係者に大きな衝撃を与えました。

2回目ではどんな問題が出たのですか。

大学入試センター試験でも出されてきた「論理的な文章」を読んで、探究リポートを書く設定で答えさせる問題でした。
2018年度試行調査の問題はこちら
正解はこちら

生徒が解き慣れていたせいか、80~120字で書かせる問題でも、完全正答率は15.1%になりました。
また、入試センターは1回目よりも完全正答率を上昇させるため、解答する際の条件も工夫しました。引用するべき資料や、「書かなくていい要素」を具体的に示したのです。入試センターは、完全正答率が上昇した背景には、このように条件を工夫した効果もあった、と考えています。

本番では、どちらのタイプの問題が出るのですか。

入試センターは本番で、(1)1回目の試行調査で出された複数の資料を示す「実用的な文章」を主な題材とする問題(2)2回目で出された評論など「論理的な文章」を主な題材とする問題(3)両方を組み合わせた問題――のいずれかのタイプを出題するとしています。2回目の試行調査のように、「実用的な文章」がマークシート式問題で出題されることもあります。 

試験時間は、センター試験と変わらないのですか。

センター試験では、国語の解答時間は80分でした。一方、共通テストでは、記述式問題が加わることを受けて100分に延びます。

記述式問題は、マークシート式問題よりも配点が高いのですか。

配点は、マークシート式問題だけで200点です。記述式問題の成績は点数ではなく、5段階の「総合評価」で示されます。これは、入試改革の制度設計を議論する過程で、「1点刻みの入試からの脱却」が求められたことを受けて導入された方法です。

どんなふうに5段階にするのですか。

試行調査では、記述式の3問それぞれについて、正答の条件を満たすかどうかを、「完全正答」(a)から「無解答など」(d)まで4段階に分けました。次に、一番難しい「80~120字以内」で書かせる問題の解答の比重を1.5倍に。3問の結果を合わせて、最終的には「A」~「E」の総合評価に落とし込みました。2回目の試行調査では、最高の「A」評価を受けた生徒は14.5%、最低の「E」は10.3%でした。

640x(国語の記述式問題の判定結果

大学側は結果をどう活用するのでしょう。

これについては次回ご説明します。

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