世界2大教育法から学ぶ

モンテッソーリ教育とシュタイナー教育から学ぶ、子育てのヒント

2019.08.21

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おおたとしまさ
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正解のない世の中でも、たくましく生きる子どもに育てるため、親にできることは--。 その手がかりを世界2大教育法に求めた。(企画・構成/教育ジャーナリスト・おおたとしまさ)

モンテッソーリ教育 子どもの興味から出発する

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無数の教具があり、子どもが好きなものを選ぶ(附属「子どもの家」)

子育てのヒント

  • 「叱る」よりも叱らなくていい環境設定を
  • 子どもが集中していることを邪魔しない
  • ひとりでできるように手伝う
  • 不必要な援助は発達の障害物になる

医学博士マリア・モンテッソーリが1907年にローマの貧困地域で「子どもの家」を創設したのが始まり。モンテッソーリは、子どもには自らを成長させる「自己教育力」が備わっており、さらにそれぞれの子どもに特定の技能を身につけるのに適した「敏感期」があり、敏感期が来れば子どもは自発的に自分にとって必要な活動を選択し集中して取り組むようになると考えた。
そこで、それぞれの子どものそれぞれの敏感期に対応する活動を「おしごと」と呼び、子どもたちが自由に取り組める環境を整える。すると子どもたちはそれぞれの「おしごと」に集中して取り組み、その能力をどんどん開花させていった。

またモンテッソーリは、厳しく叱っても優しく諭しても、根本的には子どもの問題行動や悪い癖を直せないことに気づいた。むしろ子どもに「自由」を与えることで、改善に向かうことを見いだした。子どもに最大限の自由を与えるため、問題行動を誘発しない環境を整えることが大事だと訴える。こうして、子どもを管理し教え込む教育から、教師が子どもに与える影響を最小限に減らした教育へと、大転換が起きた。

モンテッソーリは、大人が子どもに関わるときのコツを「ひとりでできるように手伝って」「すべての不必要な援助は発達の障害物になる」というたった2文で表現する。子どもが自発的に取り組んでいることを、子ども自身が一人で成し遂げるために必要な最低限の援助をしてあげさえすればいいという。大人がそのように関わっていれば、子どもはどんどん自分を教育していける人に育つというわけだ。

将棋の藤井聡太七段や、米国のバラク・オバマ前大統領、アマゾンやグーグルなどの超グローバル企業の創業者がそろってモンテッソーリ教育出身であることは有名だが、決して「勝ち組」を育てることを目的とした教育ではない。生涯学び続ける姿勢をもち、援助なしに行動できる「自由」な人間を育てることこそ、その真骨頂なのだ。

密着リポート

日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属「子どもの家」(認可外幼児教育施設、東京都大田区)

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ピンクタワーに挑戦する子ども

ビルの1フロアに入る「子どもの家」を訪れると、2~6歳の約30人が、思い思いの教具で「おしごと」と呼ばれる活動に取り組んでいた。ひらがなの木片を組み合わせて単語を作る子、本物の針と糸を使ってフェルトにボタン付けをする子、大きさが少しずつ違う10個の立方体を使ってタワーを作る子……。子どもたちは棚に並んだ教具の中から、やりたいものを自由に選ぶ。1人でも友だちと一緒でもいい。4人の先生が子どもたちの中に入り、教具の使い方の手本を見せたり、言葉をかけたりしていた。

異年齢の子が同じクラスで生活する縦割りは、モンテッソーリ教育の特徴だ。大きい子は小さい子の世話をしたり、慈しんだりすることを経験し、小さい子は大きい子の活動を見てあこがれを持つことができる。
モンテッソーリ教育を実践する幼稚園や保育園などの施設は、同研究所が把握しているだけで全国に100カ所以上あるが、正確な数はわからないという。

モンテッソーリ教育を掲げていても、採り入れ方の度合いは施設によって違いがあるので、「子どもの家」副園長の櫻井美砂さんは「子どもを通わせる場合は、実際に見学するなどして、信頼できる施設を選ぶことが大切」と話す。(斉藤純江)

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地図パズル

1日の流れ

9:20~9:30
登園、朝のしたく
9:30~10:50
活動(月は体育、金は造形の時間がある)

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針と糸を使ってフェルトにボタン付けをする子どもたち

11:00~11:15
集会
11:15~11:35
線上歩行
11:35~11:50
お弁当準備
11:50~12:15
お弁当
12:15~13:25
活動
13:25~13:40
帰りのしたく
13:40~14:00
帰りの会
14:00
降園
※水曜日はお弁当なしで12:00降園

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