サピックス広野先生の 知っトクなっトク中学受験

サピックス講師が勧める、「入試の天王山」夏休みの過ごし方

2019.08.05

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広野 雅明
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情報過多の時代の中学受験。大手進学塾サピックスの広野雅明先生が保護者の方々に向け、情報を上手に利用するコツを解説します。

夏休みももう半分近く経ち、塾に通われている方は夏期講習のさなかとは思いますが、毎日の学習は進んでいますか? よく「夏は入試の天王山」と言われます。受験後にご両親やお子様に書いて頂く、各種の受験体験記を拝読すると、夏休み・夏期講習での成長についてお書きになる方が多数いらっしゃいます。まずは夏の学習についてふれていきたいと思います。

 6年生は苦手教科・弱点分野を克服しよう

 6年生のお子様は中学受験まで残り約半年、2学期になると志望校判定の模擬試験や志望校の過去問学習、日曜日などを利用した特別講座などが始まりますので、ある程度まとまった時間を取り、集中的に学習する機会が少なくなります。特に苦手教科、弱点分野を克服しようと思えば、この夏が重要なポイントです。

実は、お子様が感じる苦手教科、弱点分野と実際のテストの正答率、お通いになっている塾の先生から見たお子様の学力は意外に一致していません。まずは客観的にお子様の学力を分析してみることが大切です。ただし、あまり細かく分類しようとするとかえって混乱します。算数であれば、例えば、平面図形、立体図形、文章題(割合・和差)、数に関する問題(場合の数・規則性・数の性質)、その他のように大雑把に分けて6年生になってからのテストの得点率を一覧にしてみるとよいでしょう。中には分類が難しい問題もありますので、それはその他でよいと思います。

また、間違えた要因も、「計算ミス・問題文の誤読」⇒A、「その場では解けなかったが解説を読めば理解できた」⇒B、「難しすぎて解説を読んでも理解不可能だった」⇒Cのように分類した方がよいと思います。あと半年であれば、Aは徹底的に減らす、Bは何度も解いて解けるパターンにする、Cはもうこだわらず「捨て問」にするというような割り切りも今後は重要です。本来であればCもとことん考えていくことがお子様にとって重要なことですが、ものごとには段階がありますので、まずはABを優先して下さい。

サピックスコラム1-1

上記のような分類をもとに学習計画を見直しますが、ここで気をつけて頂きたいのは、まずは塾のカリキュラムを最優先することです。夏期講習は毎日のように授業がありますので、授業をしっかりと受けてその復習をして定着させることの方が重要です。これ以後のカリキュラムは総復習になりますので、日々の学習をしっかり積めば苦手分野もすべて網羅されます。ただし、塾のない日に上記の苦手分野を、今お通いの塾の6年生になってからのテキストを使って再度学習することは大変効果があると思います。

 これから先の学習は教科のバランスが大切です。お子様の受験校に合わせ、2科目・3科目・4科目の学習になりますが、特定の教科に過度に時間をかけないようバランスよく学習させるには保護者の力が大切です。お子様は目先のことにとらわれがちですので、よく話し合って学習計画を立てて下さい。

5年生は「解き方」を書く習慣づけを

 5年生のお子様は4年生に比べて、特に算数の学習が難しくなったと感じる方が多いかと思います。4年生までは具体的なことを素材とする問題が多く、それほど問題が複雑でないので、頭の中だけで考え、筆算を少しすれば答えの出る問題が多かったと思います。ところが5年生のカリキュラムには割合や比など抽象的な概念が入り、具体的なことだけではなく動点の移動などの抽象的な素材を使った問題や、複数の式を使ったり、調べたりしていかないと答えが出ない問題が増えてきます。そのため4年生までとは問題を解くときのやり方を変えないとなかなか得点できなくなります。それは「解き方」を書くということです。頭の中で考えたことを紙にメモしながら考える、そんな習慣をつけて頂きたいと思います。

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また社会では地理のまとめから歴史分野の学習に5年生の後半から入ります。知識として覚えないと理解できない項目も増えますので、日々の学習で毎回毎回、知識や重要事項を定着させることが重要になります。長時間でなくても結構ですので、毎日の学習の積み重ねを大切にして頂きたいと思います。

 4年生以下は家族と一緒に興味を広げて

 4年生以下のお子様にとっても夏の学習はやはり重要です。塾で学習したことをしっかりと復習して、定着させていくことは言うまでもありません。ただし、この時期は様々なことに興味を広げることも大切です。理科や社会では、家族旅行や博物館・動物園などの見学に行ってみて親子で様々な会話をすることも後に非常に役立ちます。お休みのとき家族で一緒に楽しく過ごす時間を、ぜひうまく役立てて頂きたいと思います。

 56年生のお子様もときには気分転換が重要です。特にスランプのときやストレスのたまっているときこそ、リフレッシュしてみると意外に後の学習が好回転します。家族の時間も大切にして頂きたいと思います。

 

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最近の中学受験は情報過多の時代です。お子様、一人一人に個性があり、同じ方法論は通じないはずですが、なぜか一部の成功論に引きずられがちです。自分は自分、他人は他人、困ったときはお通いの塾の先生方に相談しながら、わが子にあった学習法を探してみて下さい。自分で学習できる、自立したお子様に徐々に成長させて頂きたいと願っております。

 情報は利用するもので、踊らされるものではありません。そんな見地でコラムを何回か書かせて頂きますので、少しでもお子様の成長のお役に立てればと存じます。

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