ゼロからわかる! 2020大学入試改革 おさえておきたいポイントを解説

大学入学共通テスト 英語はリスニング重視、「筆記」は「リーディング」に

2019.07.31

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増谷 文生
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2020年度から大学入試は大きく変わります。何がどう変わり、どんな準備が必要なのか。新しい入試制度で受験することになる中高生や保護者のみなさんの疑問に、朝日新聞社会部で大学入試や教育問題を取材する増谷文生記者がお答えします!

2021年1月から大学入試センター試験が新方式の大学入学共通テストに変わります。共通テストになると、英語の試験はどのような内容になるのでしょう?

英語の入試については20年度から、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測る民間試験が導入されるので、そちらに気をとられがちですが、共通テストの英語も24年1月までは実施されることが決まっています。それ以降は、実際に20年度から民間試験が活用されていく中で、どの程度の問題が起きるかによって、文部科学省などが判断します。

センター試験の英語には「筆記」と「リスニング」がありました。共通テストも同じですか?

いまのセンター試験は1990年に始まりました。最初は「読む」力を測ることを主な目的とした「筆記」だけでしたが、2006年の試験から「聞く」力を測る「リスニング」が導入されました。また、単語のアクセントの場所や、正しい順番への単語の並べ替えといった問題を出し、間接的に「話す・書く」力も測ろうとしてきました。
共通テストでは、「筆記」は「リーディング」になり、「読む」力だけを測る試験に様変わりします。英文の資料や手紙などを読んで、選択肢から答えを選ぶマークシート式問題です。「話す・書く」力を測るのは民間試験に任せる、との考えからです。

リスニングはそのまま残るのですか。

試験科目としては残りますが、実施方法が変わります。センター試験では、問題文は2回ずつ読まれてきました。しかし、現実の場面に合わせて1回読みにすべきだ、という意見が出ていました。
そこで大学入試センターは、一昨年と昨年に実施した2回の共通テストの試行調査で、一部の問題を1回読みにして、正答率が下がるかどうか検証しました。その結果、大きな問題はなかったと判断し、本番でも1回読みを混在させることを決めました。

配点は変わるのですか。

文科省は、高校などに「英語4技能をバランス良く伸ばす」ことを求めています。このため入試センターは、筆記200点、リスニング50点だったセンター試験の配点を改め、共通テストの英語では「リーディング」も「リスニング」も同じ100点となります。
ただし、この英語の成績を各大学が合否判定に使う際には、リーディングの点数をリスニングよりも重く扱う、といった「アレンジ」を認めるとしています。 

■センター試験と共通テストの英語の試験の違い

  センター試験 共通テスト
試験内容 筆記、リスニング リーディング、リスニング
配点 筆記200点、リスニング50点 リーディングもリスニングも100点
解答時間 筆記80分、リスニング30分 リーディング80分、リスニング30分
リスニングの問題部分の読み上げ回数 すべて2回読み

1回読みと2回読みが混在

共通テストのリスニングの問題数は、センター試験よりも増加 (表は左右にもスクロールします)

試験時間はどうなりますか。

これまでの解答時間は、筆記が80分、リスニングが30分でした。このうち筆記に代わって実施されるリーディングは80分のままです。リスニングは配点が50点から100点に倍増し、問題数が増えるにもかかわらず、準備にかける時間を除いた解答時間は30分のまま変わりません。
共通テストでは、国語と数学Ⅰ・数学Aに記述式問題が導入され、国語の解答時間はセンター試験より20分、数学Ⅰ・数学Aは10分延びることが決まっています。さらに、センター試験は1日目が午前9時半から午後6時10分まで、2日目も午前9時半から午後5時40分まで 行われ、すでにパンパンの状態です。このため入試センターは、英語のリスニングまでも試験時間を延ばすことは難しいと考えました。
1回読みを導入すれば、同じ30分の中でたくさんの問題を出題することができます。一部に1回読みの問題を盛り込んだ2回の試行調査でも、正答率は想定の範囲内に収まりました。このため入試センターは、リスニングの解答時間はセンター試験と同じ30分のままでも大きな支障は出ないと判断しています。

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