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明大オリジナルの就活手帳も 学生サポートNo.1 明治大学の就職支援

2019.07.31

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西島 博之
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大学を選ぶ際に重視されることの一つが就職支援。高校の進路指導担当教諭が「進路支援が充実している」と高く評価するのが明治大(東京都千代田区)だ。100年近く前には、すでに就職支援の専門部署があったといわれる。学生の立場で「何が役立つか」を模索し、さまざまな手作りのイベントを企画している。(撮影/朝日新聞出版写真部・小山幸佑)

学生の高い期待に応え続ける

明治大の学生の就職に対する関心の高さがうかがえる伝統行事がある。毎年9月末~10月上旬、3年生向けに開催される「就職・進路ガイダンス」だ。大学オリジナルの「就職活動手帳」が配られ、就職活動のスケジュールや企業の採用動向、就活の心構えなどが説明される。「就活のスタート」にあたるこのガイダンスは1970年代に始まった。3年生の実に9割が出席する。1997年卒業のOBでもある、就職キャリア支援センターの原口善信さんが話す。

「私自身、特に真面目な学生というわけではありませんでしたが、先輩から『このガイダンスには必ず出るように』と言われて出席したことを覚えています」

 

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明治大OBの就職キャリア支援センター・原口善信さん

「大学ランキング2020」(朝日新聞出版)で、最も多くの高校の進路指導担当教諭から「進路支援が充実している」大学として名前が挙がった明治大。前述のガイダンスをはじめとする手厚い就職支援は、明治大の伝統だ。大正時代の1925年には、すでに就職支援を担当する専門部署があったとされ、就職活動手帳の前身である「就職手引」という小冊子も戦前から発行していた。現在は「手作りの支援行事」「Face to Face」をテーマに、さまざまな就職キャリア支援に取り組む。関連するイベントは年間500以上もある。

「イベント数は年々増えています。社会情勢に応じ『何が学生にとって役立つのか』を考えながら、職員自ら企画しています」(原口さん)

学生からの個別相談は年間約2万件にも上る。就職に関する助言などを行う「キャリアコンサルタント」の国家資格を持つ職員20人が中心となって相談にあたっている。大学は毎年、職員が資格をとるための費用を援助するという力の入れようだ。

 こうした100年近くに及ぶ手厚い支援と就職実績から、「就職の明治」といわれ、入学してくる学生の就職支援に対する期待値は高い。期待に応えるため、大学はさらに支援に力を入れる。そのサイクルが高校からの高い評価につながっているようだ。

先輩が後輩に残す「生きた就活情報」

明治大は先輩と後輩のつながりが強いといわれる。それは就活にも表れている。就活を終えた4年生から就職キャリア支援センターに提出される「就職活動報告書」には、企業の選考スケジュール、選考内容、面接の詳細(質問内容、時間、面接担当者の人数など)、成功談や失敗談、就活に役立ったアイテムなど、内定に至るまでのさまざまな貴重な情報が記載されている。その数は毎年約2千枚。1人の学生が複数の報告書を残す場合もあるというが、1学年の学生数が約8千人であることを考えても、その数は多いといえるだろう。大学には8年分の報告書が残され、後輩たちはウェブでも閲覧できる。年間の閲覧数は6千件を超える。

「当初、報告書の項目が細かすぎると、書くのが大変で、学生が提出してくれないのではないかと思っていました。しかし、先輩が残した報告書が就活に役立ったからと、今度は後輩のために自分の経験を残そうと考えてくれる学生が多いようです」(同)

 

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「就職活動報告書」を提出した学生に贈られるオリジナルグッズ

報告書を1枚提出するたびに学生は、就職キャリア支援センターのオリジナルグッズを一つもらえるという特典もある。ボールペンやクリアファイルなど10種類を用意している。こうした就活関連グッズも手作りなのが、明治大の特徴だ。毎年9月末~10月上旬、3年生向けに行われる「就職・進路ガイダンス」で配布される「就職活動手帳」、2年生用の「キャリア手帳」も大学オリジナル。就活はスケジュール管理が重要といわれる。就職活動手帳には月間スケジュール、週間スケジュールのほか、企業サイトのマイページで使うIDやパスワードを書き込めるようになっている。大変好評で、多くの学生が就活中に持ち歩いているという。内容についても、学生の意見を取り入れながら、毎年、改訂している。

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「就職・進路ガイダンス」に出席しないともらえない「就職活動手帳」(右)と2年生向けの「キャリア手帳」

学生が卒業するまで就職支援は続く

面接など企業の選考が始まる6月までに、内々定を得ている学生もいる。その一方で、6月以降、就活を続ける学生もまた多い。最近の就職状況は学生有利の売り手市場といわれる。周囲の友人の就職先が次々に決まっていくなか、内々定を得ていない学生はそのぶん、気持ちが沈みがちになってしまうこともある。

 明治大では、6月以降、内々定を得ていない学生に対する手厚い支援を続ける。従来、個別のプログラムとして実施したものを、2018年から「納得就職支援プログラム」としてパッケージ化した。ガイダンスなどを通じて、6月以降の企業の動き方、求人の集め方などについての情報を学生に提供。「なぜ内々定を得られないのか」「何が足りないのか」を、学生に振り返ってもらう機会を設ける。すでに内々定を得ている学生の参加もあるという。

「早い時期に内々定を出しても、辞退される可能性を考慮して、6月以降、特定の大学に絞って求人を出す優良企業も多いのです」(同)

 

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月~金曜日は予約なしで個別相談できる(撮影/大野洋介)

企業で行われる面接で力を発揮できない学生もいるため、企業の担当者を大学に招いて、「模擬面接会」や「学内選考会」も実施する。
「大学としてそこまでやる必要はないのではないかという声があるかもしれません。しかし、学生には納得感を持って就職してほしいというのが私たちの願い。支援しすぎるということはありません」(同)

  納得就職支援プログラムは学生が卒業するまで続く。

メモ

明治大学 1881年、明治法律学校として創立し、1920年、明治大学開学。「権利自由、独立自治」を建学の精神とし、「質実剛健」「新しい知の創造」「時代の要請」に応える人材の育成に努める。本部所在地は東京都千代田区。学部学生数は3万703人(2019年5月1日現在)。駿河台・和泉・生田の3キャンパスに加え、13年4月、国際化、先端研究、社会連携の拠点として中野キャンパスを開設した。

明治大グラフ

<コラム> 大学ランキング編集部では高校の進路指導担当教諭に「生徒の希望に合わせて大学をすすめる際にどのようなことを助言しているか」を尋ねた。回答が多かった項目の順位は次の通り。①「国公立大学」、②「大学より学部、学科で決める」、③「難関大学」、④「施設・設備の充実」、⑤「歴史、伝統がある」、⑥「特色ある講座、プログラムが充実」、⑦「浪人しても目標校をめざす」、⑧「就職支援やキャリア教育が充実」、⑨「就職実績がよい」、など。

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