東大卒シングルファーザーの中学受験備忘録

22話 2月1日

2019.08.26

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堀 杜夫
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  • 受験当日は受験塾の講師が校門前で待ち構え、在籍塾生を激励するのが中学受験の「風物詩」となっている。校長が出迎える学校もある
  • 子どもの試験中、保護者は学校が用意した控室で待つ。学校によっては、待ち時間の間に軽食や飲み物を提供するところもある

私立がスタート

2月1日の木曜日の朝。緊張のせいか、私は4時前に目が覚めてしまいました。娘は自室で寝息を立てながら、まだ夢の中です。5時半過ぎに目覚ましが鳴ると、いつもは2度目のスヌーズスヌーズ機能 目覚まし時計の機能の一つで、アラームを一度止めても、一定時間後に再び鳴る機能。スヌーズは「居眠り」という意味。までベッドから出てこないのに、この日はすぐに起きてきました。熱もなく、せきや鼻水などの症状もありません。全快といってよさそうです。朝食をしっかり取って支度をし、いつもなら10分余りかけて歩く道のりをバスで最寄り駅へ向かいました。駅の改札の前には娘の通う塾の先生が5人ほど並んで、受験生を見送っています。娘も一人ひとりと握手をして、地下鉄に乗り込みました。平日の朝なので、都心に近づくにつれ、電車は混んできます。車内には、中学受験に向かうとおぼしき母子が何組か、通勤客の混雑にもまれていました。

 22話前半①

山の手の私立A校に着くと、体育館の入り口に校長先生が立ち、受験生一人ひとりと握手しながら、「がんばってね」と声をかけています。娘も握手してもらい、在校生の誘導で試験会場に向かっていきました。保護者は体育館で試験が終わるのを待つことになります。先ほどの校長が壇上に立ち、「2月1日という入試本番の初日に本校を受験していただき、ありがとうございます」と話したとき、1日に受験できてよかったと、つくづく思いました。

1時間に及んだ校長の独演会が終わると、体育館にはジャズのBGMが流れ、飲み物や軽食も供されて、待ち時間はあっという間に過ぎました。試験会場から戻ってきた娘は、疲れたのか初めは無口でしたが、地下鉄駅の階段を下りているとき、「そういえばお父さん、ローマ数字の問題が出たよ」と笑顔で話しかけてきました。ヤマが当たったと知った私はうれしくて、「そっかー。お父さんに何かおごってよ」と冗談を返しました。

前哨戦は2連勝

22話後半①

予定の夜10時より少し前、A校のウェブサイトに合格者の受験番号が発表されました。まず初めに、入学金や授業料が免除される特待合格者の番号が並んでいます。思ったよりその人数は少なく、娘の受験番号も見当たりませんでしたが、その後の一般合格者の欄には、しっかりと番号がありました。第2志望校に合格したというのに、最初に第4志望校の特別特待合格をもらったときほどの喜びはわきませんでしたが、代わりにインフルエンザを克服できてよかったという安堵(あんど)感に包まれました。

本来なら、翌2日(金)も特待合格を狙ってA校を受けてもよかったのですが、病み上がりのうえに雪の予報が出ていたことから、娘は静養して3日(土)の大本命に備えることにしました。小雪のちらつくなか、私は一人でA校に向かい、「合格証」と入学手続きの書類をもらってきました。第3志望の私立B校の受験を見送ったこともあって、前哨戦は2戦2勝のまま、都立一貫X校の適性検査に臨むことになったのです。(つづく)

94。前半2文字の「XC」は100-10で90、後半2文字の「IV」は5-1なので4となる。

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