ゼロからわかる! 2020大学入試改革 おさえておきたいポイントを解説

英語が変わる!大学入試改革で準備の早期化が加速 新型英検の予約申し込みは9月から

2019.07.24

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増谷 文生
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2020年度から大学入試は大きく変わります。何がどう変わり、どんな準備が必要なのか。新しい入試制度で受験することになる中高生や保護者のみなさんの疑問に、朝日新聞社会部で大学入試や教育問題を取材する増谷文生記者がお答えします!

2020年度からの大学入試で使われる英語の民間試験を受ける手続きと、活用の仕組みを教えてください。

新しい入試制度で受験することになる高校2年生の人たちは、受験はまだ先だと思っているかもしれません。しかし、大学入試センターに認定された英語の民間試験を受ける手続きは今年の秋から始まります。新型英検のメインとなる「S-CBT」は20年4~7月に実施される「第1回」の「予約申込」が9月に始まります。
成績のやり取りは入試センターが発行する共通IDを使って行われます。受験生のメインとなる現在の高校2年生は11月に、高校を通じてセンターにIDの発行を申請し、来年1月ごろIDを受け取ります。そのIDを記入して申し込み、来年4~12月に民間試験を受けると、試験の成績は本人に伝えられると同時に、入試センターが整備する「大学入試英語成績提供システム」に送られます。
このシステムを使う大学に出願する受験生が、願書に共通IDを書き込むと、大学側は入試センターに共通IDを伝えて、受験生の成績を受け取る仕組みです。

320x共通テスト活用の仕組み

大学側は受け取った成績をどのように使うのですか。

活用方法は大学が自由に決めることができますが、文部科学省は「なるべく民間試験の成績を活用してほしい」とアピールしています。
国立大学協会(国大協)は英語民間試験の活用方法についてのガイドラインを発表し、一般選抜を受けるすべての受験生に民間試験を課すとしています。併せて、現行の入試センター試験に代わり20年度から導入される大学入学共通テストの英語試験も課し、両方の試験結果を活用するとしています。
活用方法は、(1)民間試験の成績が一定以上であることを、その大学に出願するための資格とする(2)民間試験の成績を得点換算して、共通テストの英語の点数に加える(3)両方を組み合わせる、の3パターンを示しています。出願資格とする場合は、異なる試験の結果を比較するための指標である欧州言語共通参照枠「CEFR(セファール)」に当てはめ、6段階で下から2番目の「A2」以上としています。加点する場合は、得点換算された時の最高点を、共通テストの英語の成績と合算した英語全体の点数の「2割以上」とする目安も決めています。

国立大はみんなガイドライン通りに活用するのですか?

大枠ではガイドラインに沿う大学が多いのですが、細かく見るとバラバラと言っていい状況です。6段階の成績ごとに換算する点数は、大学によってかなり異なります。出願資格も「中学卒業程度」とされる「A1」以上とする大学や、学部によって求める段階が異なる大学もあります。
さらに、東北大や北海道大などは、20年度に行う入試では民間試験の成績を活用しないと発表。東京大や名古屋大は、「A2」以上を出願資格としつつ、高校が「この生徒はA2以上の英語力がある」と証明する書類を出せば認めるとしています。京都大や大阪大は、特別な事情で民間試験を受けられなかった場合のみ、高校の証明書で認めるとしています。7月18日現在で、具体的な活用状況を決めていない国立大も2校あります。

■国立大学の英語民間試験の成績活用方法

活用法 公表した主な大学
出願資格 旭川医科、千葉、※東京、東京外国語、※浜松医科、※名古屋、滋賀医科、京都、大阪、九州
加点 弘前、福島、筑波、新潟、三重、兵庫教育、佐賀
使わない 北海道、東北

(※CEFR「A2」以上の英語力を証明する高校の書類でも可。2019年7月18日現在)

なぜ、そんなに対応がバラバラなのでしょう。

民間試験の活用については、(1)7種類もの試験をCEFRに当てはめて、公平に比較することができるのか(2)地方に試験会場がない試験があり、地方の受験生が不利にならないか(3)家庭の経済力によって、練習で受けることができる試験の回数に差が出ないか、といった数々の問題点が指摘されています。
こうした問題点をどのように考えるか。英語4技能の力をどこまで重視するか。ハードルを高くすると受験生が減らないか。そうしたいくつもの要素を、各大学が総合的に考えて判断しているため、対応がバラバラになっているのです。
朝日新聞と河合塾が18年夏に実施し、全国の国公私立大691校から回答を得た共同調査「ひらく 日本の大学」でも、17年調査に比べ民間試験の活用に慎重な姿勢に転じる大学が目立ちました。17年の調査で活用を「大いに望ましい」「望ましい」と答えた計140校が18年は「問題がある」に変化。特に国立大は大きく変わり、17年は「大いに望ましい」「望ましい」と答えた44校のうち、28校が18年は「問題がある」と答えました。

活用についての考え(ひらく調査結果)

公立大や私立大はどう使うのですか?

文科省の5月末の発表によると、公立大は大半が民間試験の成績を活用する方針ですが、私大では5割以上が態度を決めていません
すでに方針を発表している大学をみると、早稲田大(政経学部など)や上智大、関西学院大など積極的に活用する大学がある一方、慶応義塾大など活用しない大学もあります。
まだ発表していない大学も、多くはこの夏には何らかの発表をする見込みです。進学先の視野に入っている大学の活用法については、各大学や予備校のホームページなどで確認しておきましょう。

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