2020大学入試改革 小中高生が準備すべきこと

「入試改革に子どもが対応できるか不安…」 保護者の悩みに、鎌田薫・早稲田大前総長が説いたのは?

2019.07.02

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EduA編集部
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子どもの学びをめぐる悩みは、小中高生でバラバラで、解決策も違っています。5月のシンポジウムに参加した保護者から、イベント終了後、質問を募集しました。後日、パネリストとして参加したプロ家庭教師の安浪京子さん、都立日比谷高校校長の武内彰さん、早稲田大学前総長の鎌田薫さんに答えてもらいました。

この記事では、政府の教育再生実行会議の座長を務め、入試改革にくわしい鎌田さんに、新たな大学入試で求められる力について、保護者の疑問にお答えします。

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シンポ登壇者
登壇したパネリストのみなさん(左から、鎌田薫・早稲田大前総長、武内彰・都立日比谷高校長、プロ家庭教師の安浪京子さん、増谷文生・朝日新聞記者)=5月25日、田辺拓也撮影

新たな大学入試では表現力も問われます。主体性や個性を重視しない教育を受けた子どもに、自己表現ができるでしょうか。(40代女性)

おっしゃるような懸念があることは確かです。しかしグローバル化した現代社会では、自ら考えたことを、文化や価値観の異なる人々と手を携えて実行していくことが求められています。 たとえば、中等教育の修了と高等教育入学資格を併せて認定する国家資格であるフランスのバカロレアでは、文系理系とも哲学が必修で、ある年の理系の問題は「人は幸福になるために生きているのか」でした。 高校時代にこうした問題を長文で論述できる力を身につけた人と、どうすれば互角に議論できるのか。日本の高等教育の課題であり、小中学校でも主体的な学びの拡充が求められます。大学入試改革は、学校教育と受験生の学習の大胆な改革を目指しているのです。

入学試験で問われる「思考力・判断力・表現力」のうち「判断力」については具体的にどのような問題ではかっているのでしょうか。(10代男性)

判断力も多義的ではありますが、入学試験との関係では、複数の資料や情報の中から必要なものを選択して整理・分析し、論理的整合性のある推論を行い、当該問題によって措定されている目的に適合的な結論を導く能力を検証することなどが中心になるものと考えられます。 試験方法としては、これまでも各大学の独自試験等で行われてきた記述式試験や論文、面接あるいは口頭試問などが最も適合的であると考えられます。また、マークシート方式の試験においても、既に、判断過程の適切さや論理的思考力を問うために、複数の問題を連動させるなどの出題の工夫がなされていますので、今後はこうした出題方法の占める割合が大きくなると予想されます。

早稲田大では多様な経験を通じた学びを促進されているとのことですが、高校生までにどのようにして多くのことを経験し、深めていけばいいでしょうか。(女性)

できるだけ自由にさまざまな体験を積んで欲しいと考えています。ただし、たとえば被災地支援ボランティアでも不用意に現地に赴くと、被災者にとってかえって迷惑になることがありますし、自らを危険にさらすこともありえます。学校や自治体、信頼できる団体などが十分に準備して提供しているプログラムに参加するのが高校生にとっては無難ではないかと思います。

早稲田大学前総長

鎌田薫さん

かまた・かおる 早稲田大法学部教授、同大学院法務研究科長などを経て、2010年から18年11月まで第16代総長を務める。13年から政府の教育再生実行会議座長、16年から日本私立大学連盟会長。法学関係の著書多数。

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