家族のとなりに新聞を

本当に学力は上がるのか? 全国学力テストを分析

2019.07.03

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関口 修司
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  • 新聞を読んでいる子供ほど、国語も算数も全国学力テストの平均正答率が高かった
  • NIE実施校(小学校15校)の平均正答率が全国平均を3~5ポイント上回った
  • 新聞を読むことで、設問の読解力が高まり、算数の成績もアップしたのではないか

NIEの成果を「見える化」、結果は明らか

新聞を読んでいる子供ほど、国語と算数で10~13ポイント高

これまで学校教育に求められている資質・能力を育てるのに「新聞」が効果的だと述べてきました。また、文部科学省による全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の問題にも、新聞で伸ばすことのできる学力の要素が多く反映されていることも示してきました。

しかし、実際、新聞を読んでいれば、本当に学力は上がるのでしょうか。

私は、教師としてNIE(新聞を教材として活用する学習)を通して、子供の学ぶ力を育ててきたつもりでいます。「つもり」というのには訳があります。「NIEで具体的に学力をどれくらい伸ばしたのか」と問われると、説得力のある数字で答えることは十分にできなかったからです。

学力は、本来、数字で表せるものではありません。意欲や態度はもちろん、思考力や判断力などの資質や能力も数値化できるものは、その一部に過ぎません。そうは言っても、そのままでは新聞活用の効果は曖昧(あいまい)なままです。そこで、その成果を可能な限り「見える化」してみました。

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全国学力・学習状況調査(2018年度)の結果から検証を試みました。

この調査には、子供の意識調査もあります。その質問項目の一つに「新聞を読んでいますか」があります。「ほぼ毎日読んでいる」「週に1~3回程度」「月に1~3回程度」「ほとんど、または、全く読まない」のいずれかを選ぶ質問です。これと学力テストの結果をクロス集計することで、「新聞を読む頻度」と「学力」の相関関係を見ることができます。結果は見事にきれいな相関が表れました。「新聞を読んでいる子供ほど、国語も算数も学力が高かった」のです。「ほぼ毎日読んでいる」子供と「ほとんど、または、全く読まない」子供の平均正答率は、前者の子供が国語と算数で10~13ポイントも高いという結果になったのです。

しかし、それは相関関係に過ぎないと言う方もいるはずです。「新聞を毎日読めるような家庭環境の子供の学力が高い」だけなのかもしれないという理由です。

NIE実施校の平均正答率、全国平均を3~5ポイント上回る

そこで、次のような検証もしてみました。

全国学力テスト(16年度)の全国平均正答率と、新聞活用に取り組むNIE実施校(小学校15校)の平均正答率を比較してみたのです(17年日本新聞協会調べ)。結果は明らかです。国語A問題(主に知識)、国語B問題(主に活用)ともに、NIE実施校の平均が全国平均を3~5ポイント上回る結果となりました。興味深いのは、この比較で上回ったのは国語だけではないことです。算数のA・B問題でも同様に上回ったのです。

全国学力テスト(カエ)

国語だけでなく、算数の学力も上がるのは偶然なのでしょうか。

これは数字で根拠を示すことはできませんが、想像できることがあります。新聞を読むことで、設問の読解力が高まり、算数の成績もアップしたのではないかということです。このNIE実施校のデータは15校に過ぎません。まだまだ十分な数のデータとは言えませんが、「何となく伸びた」よりは、はるかに客観性が高いとは言えないでしょうか。

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