2020大学入試改革 小中高生が準備すべきこと

2020大学入試改革、どう備える? 教育専門家がアドバイス

2019.07.01

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EduA編集部
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2020年度から変わる大学入試に向け、小中高生はどう備えればいいのか。EduAの創刊を記念し、5月に開いたシンポジウムの模様をお届けします。

創刊シンポグラレコ
創刊シンポジウムの内容をまとめたグラフィックレコーディング(作成:上園海さん、守随佑果さん)
上の作品は、全体は上園海(かみぞの・まりん)さん(23)、参加者の似顔絵は守随佑果(しゅずい・ゆか)さん(36)が担当しました。会場で当日まとめたものを、紙面用に再構成してもらいました。グラフィックレコーディングという手法で、会議やイベントに同席し、絵や文字でやり取りをリアルタイムにまとめて共有します。流れを可視化することで相互理解が促され、建設的な議論につながるため、ワークショップや企業の会議、研修などで使われることが増えています。
短い時間でポイントをつかむ力は、2020年度の大学入試改革で重視される読解力に通じます。全体を担当した上園さんは「幼いころから本を読むのが好きだったことが、役立っているように思います」と話していました。

未知の問題を主体的に解決する人材を 鎌田薫・早大前総長の基調講演から

2020年度から始まる教育改革は、「知識詰め込み型」から、「思考力・判断力・表現力をそなえ、主体的に学ぶ」教育への転換を目指している。それに伴って、大学入試も改革の成果を多面的に評価できる制度になる。

政府の教育再生実行会議座長として、一連の論議にかかわってきた早稲田大前総長の鎌田薫さんは、教育改革が必要な理由の一つとして、産業構造の急激な変化を挙げる。

AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の発達で「上司から言われたことを忠実にこなす人材を大量に育てれば、産業が育っていくという時代ではなくなる。知識をたくさん覚えるだけではなく、未知の問題に果敢に取り組み、主体的に解決法を策定していく人材でなければ、これからの時代は活躍できません」と話す。

そのためには大学や高校までの学び、大学入試を変え、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」という学力の3要素を身につけさせ、評価していく必要があるとする。

具体的には、全問マークシート式の大学入試センター試験に代えて、20年度からは大学入学共通テストを導入する。

目玉の一つは、国語と数学に盛り込まれる記述式問題だ。鎌田さんは「長い文章が書けるというのは、論理的に考え、表現できること」と解説。全ての教科でマーク式問題も残るが「思考力・判断力・表現力」を測るため、複数の資料を読み解く問題が増える。

英語もこれまでの「読む・聞く」の2技能試験を残しつつ、「話す・書く」を加えた4技能も評価する仕組みに変える。そのために、英検やTOEICGTECなど8種類の民間試験の成績を活用する。受験生は、高校3年の412月に受けた試験の成績のうち、2回分までを大学入試センターを通じて大学に提出する。

鎌田さんは「今までの教育を変えろと言っても、入試制度が変わらなければお題目で終わってしまう。逆に、入試制度が学力の3要素を正当に評価するものになれば、高校以下の教育も変わらざるを得なくなる」と指摘する。

(朝日新聞社会部記者・貞国聖子)

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