国語のチカラ ~読解力アップの教科書~

夏休みの宿題の定番! 読書感想文の書き方 チェックポイントはこの6つ

2019.07.25

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南雲 ゆりか
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今年の夏休みも読書感想文、作文の宿題が出たのではないでしょうか。切羽詰まらないとなかなか書き出せないものですが、早めに終わらせて心を軽くしたいものですね。

感想文にせよ、作文にせよ、「思ったことを好きなように自由に書くものだ」とは、考えない方がいいと思います。文才に恵まれた子はすいすい書けてしまうかもしれませんが、ほとんどの子は思ったままを書け、と言われると、「迷子」になって、困ってしまいます。その状態で鉛筆と原稿用紙を渡しても、「別に、何も感じなかった」「特に、おもしろくなかった」という返事が返ってくるでしょう。旅行の作文を書かせてみたとしても、「楽しかった」で終わってしまいがちです。

なぜかというと、自分の思いや考えにうまく形を与えてとらえることが難しいからです。

小学生は、大人と違って、自身の気持ちを整理して言葉にまとめることが、まだまだ上手ではありません。そこは、少し大人のサポートが必要になってきます。

また、感想文や作文に取り組むときには、マインドセット(思い込み、先入観)を変える必要があります。「感想文や作文は人に読んでもらうものだ」という大前提のもと、どう書くべきなのか考えなければいけません

次のことを意識してみてください

読書感想文かえ

●方針の立て方

(1)読書感想文の場合

小5のクラスで以前、志賀直哉の『清兵衛と瓢箪』の感想を述べる問題をあつかいました。「清兵衛がおじいさんのはげあたまをひょうたんにまちがえたところがおもしろかったです」というのが圧倒的に多く、「そこかい!」と突っ込みたくなったことがあります。主題が見えていないからこうなるわけで、主題に絡まない感想を書き連ねても、感想文の体を成しません。

この小5の子どもたちのように、細かいエピソードについての感想がたくさん出てくるようであれば、それらを整理しながら主題へと誘導する方法もあります。学校の国語でよくおこなわれる、「初発の感想」を手がかりにした展開で、この方法で下準備をするのもよいでしょう。

ただし、感想が何も浮かばずに往生している子に「何でもいいから書きなさい」と言うのは無茶です。親も同じ本を読み、対話をしながら「だれがどうなる話?」「主人公はどんな子かな」「一番、話が大きく動いたのはどこ?」「何が彼に変化をもたらしたの?」などと発問しながら、子どもに答えさせ、「今のメモしてごらん」と書かせます。分析をしながら主題に迫るイメージです。そして、箇条書きしたメモを手がかりに、どういう視点で書くか方針を立てます。

感想文の王道は、①どんな話かを紹介し、②作品に対する感想や考えを述べ、③自分の経験と重ねたり対比したりして今後の展望を述べる、です。①は短めに、②を充実させ、③を具体的にすると魅力的な感想文となります。

 (2)作文の場合

作文も「対話」によって書く内容を引き出すといいでしょう。小1の生徒の作文指導をしたときのこと。生徒と次のようなやりとりをしました。

私 :「遊園地で何がおもしろかった?」

生徒:「観覧車」

私 :「へえ、だれと乗ったの?」

生徒:「家族みんなで。あのね、すごーく高いところに行った」

私 :「私は高いところがこわいけれど、あなたは大丈夫だった?」

生徒:「乗るときはこわかった。動いているから。でも、高いところから見たら、夜ですごくきれいだった」

私 :「それじゃあ、今教えてくれたことを書いてみて」

こんなやりとりをしながら、思い出したことをランダムに書かせました。最後に取捨選択して、書く順序を組み立てていくのです。くわしく鮮明に語れるものがあれば、それを掘り下げて作文のテーマにするのもいいでしょう。

このように、方針さえ決めてしまえば、あとは書くのみ。しかし、書くと「わけのわからない文」になってしまう、という壁が立ちはだかりますね。

 ●書いたものを読み返すときのポイント

書くのが苦手な小学生は、自分の書いたものを読み返そうとしません。読み返していたとしても、「他人が読んだときにわかるかどうか」を気にしていません。

次のような特徴があるのでぜひチェックしてみてください。

【チェックポイント1】

・主語・述語、修飾・被修飾の関係が破綻している

・助詞の使い方が適切でない

・何を指すかわからない指示語を使っている

・一文の中で「~が、~が、~」「~ので、~ので」と、逆接や順接を2回以上使う

・同じ言葉や内容をくり返す

・因果関係が成立していないのに「Aだから(ので・ため)B」と接続する

その他、話し言葉と書き言葉の使い分けも気になるところです。以下のような間違いは修正してください。

【チェックポイント2】

 ・ら抜き(書き言葉として認められていないので、絶対に使わないようにしてください)

 ・「なので」を接続詞として使ってしまう

 ・「違くなる、違かった」「やってた」「~じゃない」「~てたんだ」「~けど」等の言い回し

また、感想としての「すごい」も考えものです。昨年、日本木造住宅産業協会主催の作文コンクールの審査に参加させていただいたとき、「すごいなと思いました」というフレーズをずいぶん目にしました。せっかく上手な作文なのにもったいないなと思ったものです。「すごくどうだったのか」を書いてくれると読み手に感動がよく伝わります。

文章を書くのはエネルギーをたくさん消耗する、大変な作業です。はじめからうまく書くことを求めなくてもよいでしょう。とりあえずは正しく書くことができれば御の字というもの。書き終えた達成感、満足感を親子で分かち合ってください

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