国語のチカラ ~読解力アップの教科書~

「読解力」をつけるには(3)―説明文への取り組み方

2019.07.11

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南雲 ゆりか
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今回は、中学入試の国語の素材文で、物語文の次によく出題される「説明文(論説文を含む)」についてです。入試問題には、「小学6年生がこれを読むのか……」と、うなるような文章がごくあたりまえに出題されます。

よく取り上げられるテーマは、「生き方」「他者との関わり方」「自然や環境」「グローバリゼーション」「文明論」「言語論や記号論」などなど。抽象的で難解なものが並びます。ただし、文章が難しくても本文から答えを探せば解ける問題がほとんどですから、「読み負け」せずに最後までかじりつくことが大事です。本文との照合作業をしぶとくおこなって、答えを探せた受験生が勝ち残ります。

説明文に取り組むにあたっては、次のような大枠をつかんでおくといいでしょう。

まず、「何がどうだ」と言っているかを探りながら読む習慣をつけること。極端な言い方をすれば「話題提示(書き出し)」、「具体例の直前、直後」、「結論(まとめ)」をおさえることに全力を注ぐのです。

たとえば、書き出しに「SNSが広がってきた」とあればその功罪(短所の場合が多い)が述べられるだろうなと予想します。具体例の前後の要点を確かめながら何を問題視しているのかおさえ、どうすべきだと結論づけるのかを予測しながら読むのです。

問題を出題する学校側は「結論」に着目して、そこに至るために必要な要点を必ず問うてきます。いわば解答者のためにルート設定をしてくれています。そのルートにしっかり沿うことができれば選択肢で迷うこともないし、記述問題の解答の方向性もおのずと定まってきます。

その練習として、朝日小学生新聞のような子ども向けに書かれた新聞の短いコラムや記事は、格好の素材となります。「何がどうだといっているのか」を口頭でもかまわないので、簡単にまとめる練習をしてみてください。

ここまで、説明文に取り組むにあたっての大枠についてお話ししました。ただ、先にも述べましたが、説明文は小学生にとって難しいものも多く、本文の照合作業においても細かな注意力が試されます。

そこで、おさえておいて欲しい読み取りの基本を3つご紹介します。どの文種にも共通することですので、ぜひ、覚えておいてください

黒板かえ

① 言葉の係り受け

言葉の係り受け、とは、主語と述語の関係、修飾と被修飾の関係など。どの言葉とどの言葉がつながっているかを見極め、一文を精密に読むということです。どんな文章もひとつひとつの文の連なりですから、一文の「わからない」が累積していくと、「さっぱり文章がわからない」ということになります。

たとえば、次の【例1】のような長い文(特に、複文)には要注意です。自分で確認作業ができるように訓練しましょう。

【例1】1873年に明治政府がキリスト教を認めると、潜伏キリシタンはカトリックにもどる人、仏教や神道に改宗する人、今までの信仰の形を続ける人(かくれキリシタン)に分かれました。                                                                               (朝日小学生新聞2018年6月29日付1面から)                    

この文章で、何が「分かれ」たのか問うと、戸惑う生徒が多いのです。主語は「潜伏キリシタンは」です。図に示すのもよい勉強になります=図参照。

キリシタンかえ

② 指示語

指示語、は、文と文のつながりを理解するうえで大切です。「それとはこうなのだ」と示している文をスルーしないで、何を指しているか確認する習慣をつけましょう。指示内容を探す方法には、以下のような「公式」があります。

● 指示内容を探す公式

(1)指示語の入った一文を最後まで読んでヒントを得る

(2)原則として直前から探す(指示語のすぐ後の言葉は答えに含めない)

(3)答えと指示語を入れかえて読んで確認する

ただし、次のような例外もあります。

・具体例が複数挙げられた後の「このように(こうして)等」は具体例すべてを指す

・指示語が先行して内容がその後に示される場合もある

【例2】のような問いを立てて、一緒に考える練習をするといいでしょう。

【例2】雨つぶの直径が1ミリより小さいとまん丸のままなのですが、1それより大きくなると、ボールの底の部分だけが平らにつぶされた形になります。特徴的な2この形は、天気の本ではつぶれた「あんぱん」や「まんじゅう」に例えられます。                                                                                                                      (朝日小学生新聞2018年6月26日付「空からのたより」から)                                                                     

問1     線1「それ」とは何を指しますか。書き抜きなさい。 

問2   線2「この形」が指す部分を書き抜きなさい。

【例2の答え】

問1は、「雨つぶ」「直径」と答えがちですが、答えは1ミリです。

問2は、どこから書きぬくかがポイントで、「ボールの底の部分だけが平らにつぶされた形」が正解です。

③ 接続関係

接続関係、については、「順接」「逆接」「添加(累加)」「並立(並列)」「選択・対比」「転換」「説明」の概念を理解するところから始めます。それぞれの接続語がどの働きをするのかを理解するのはもちろんですが、これらの概念を手に入れれば、文章を読むときに「同じことをくり返しているからここは大事だ」「対比しているな」「この後に結論が述べられるはずだ」と意識できるようになります。

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