東大卒シングルファーザーの中学受験備忘録

17話 入試体験会

2019.07.22

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堀 杜夫
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  • 多くの私立中は11月ごろから「入試説明会」「入試体験会」などを開き、過去問の解説や出題傾向の説明をしている
  • 本番を受けるつもりなら、行かない手はない。志望校に幅を持たせるためにも効果的。学校によっては「おみやげ」も
  • 入試説明会では、具体的な入試の説明もある。聞いていないと本番で不利になるかも?

「すべてが志望校」の気持ち

受験生に暮れも正月もありません。年末は12月30日まで塾の冬期講習が続き、年明けは1月2日から正月特訓です。神頼みのため、初詣の長蛇の列に並ぶ時間すらありません。そこで、3日の早朝に「学問の神様」菅原道真すがわらの・みちざね/平安時代中期の廷臣、学者、文人。右大臣になったあと大宰府に左遷され、失意のまま没した。後世に天満天神としてまつられる。学問に優れていたことから「学問の神様」として知られる。公を祀(まつ)る亀戸天神社まで車をとばし、お参りを済ませた後、合格祈願の絵馬を奉納しました。昔は「〇〇大学合格」とか「◇◇高校に入れますように」などと志望校を具体的に書いたものですが、個人情報保護の意識の高まりからか、最近は「志望校合格!」といったものが多数派です。娘も自分の名前は書く代わりに、志望校名は書きませんでした。

17話前半②

実際、そのころには、併願する私立中も含め「すべてが志望校」という気持ちになっていたのも事実です。もちろん、第1志望の都立一貫X校を忘れたわけではないのですが、11月下旬に願書配布説明会で久々にあの殺風景な体育館を訪れたくらいで、週末はもっぱら模試か併願先の私立中に足を運んでいました。多くの私立中は11月ごろから「入試説明会」「入試体験会入試の本番当日とほぼ同じ時間割と会場(おもに教室)で受けることができる模擬試験。首都圏の私立で実施校が増えている。あわせて入試説明会を開く学校も多い。 」などを開き、過去問の解説や出題傾向の説明をしてくれます。本番を受けるつもりなら、行かない手はありません。そして不思議なもので、何度も訪れているうちに、そこが第1志望校のように思えてくるのです。

たとえば、千葉県の私立F校の学校説明会では、保護者向けの説明の合間に、娘は2科・4科入試の過去問を解く体験をしました。適性検査型入試は2018年から始まるため対象外でしたが、娘の第1志望の都立一貫X校からF校に移ってきた校長は「都立の適性検査はかなり難しいので、もう少しやさしい問題を出します」と話し、安心させてくれました。おみやげに最新の過去問集をもらい、自宅で2科・4科入試の過去問にも取り組みました。校長は「適性検査でも特待合格を出す」と宣言していましたが、もし一般合格や不合格だった場合、特待生になるための2科・4科入試にチャレンジするつもりだったのです。

本番に有利なアドバイス

都内で人気急上昇中の私立B校は、2018年からプレゼン型入試を行うと発表していました。その内容は入試説明会で話すといいます。ネットで説明会の席を予約して数日後にB校のウェブサイトを見ると、早くも満席になっていました。会場では、プレゼン型入試の課題について、非常に具体的な説明がありました。これを聞いていなかった子は、本番でかなり不利だったはずです。4科入試についても、各教科の先生が出題傾向から問題を解く順番に至るまで、懇切丁寧にアドバイスしてくれました。4科入試での合格の目安は、得点率6割といいます。娘は新しいプレゼン型入試のみを受けるつもりでしたが、それを聞いて4科入試も受けてみようという気になり、定価の半額程度で即売されていた過去問本を買って家路につきました。

17話後半②

なかでもユニークだったのは、都内の私立A校で年末にあった入試体験会です。本番同様、朝8時半までに学校に集まり、希望する入試方式(娘は適性検査型入試)で、模擬問題に取り組みます。出願は本番と同じシステムを使ってネット上で行い、表示されたPDFファイルの受験票を印刷して持参するので、受験当日に付き添う保護者にとっても格好の予行演習でした。年明けには採点した答案が郵送されてきました。娘が得意とする読解や作文の「適性検査1」の採点がやや厳しいなという印象を持ちましたが、算数・理科・社会の「適性検査2」を含め、公表している「合格ライン」の6割は十分に超える出来でした。本番もこの調子で臨めば大丈夫、という自信を娘も私も持つことができたのは、大きな収穫でした。(つづく)

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