東大卒シングルファーザーの中学受験備忘録

16話 挑戦とすべり止め

2019.07.16

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堀 杜夫
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  • 特待合格とは、入試でとくに好成績をおさめた受験生の入学金や授業料1~2年分を免除する制度。各私立学校で導入されている
  • 首都圏では各私立中学・高校の協会が主催する学校説明会が年数回、開かれている。志望校選びに大いに役立つ

「適性検査型」から候補を固める

じつは千葉県の私立F校の校長には、第1志望の都立一貫X校の前校長が就任していました。4年生のときに訪れたX校の学校説明会で、公務員とは思えないスマートさで自校のPRをしていたあの先生が、今度は映画館のようなふかふかの椅子が並ぶ立派なホールの大きな舞台に立っています。前任のX校での成果を誇らしげに語り、初めて実施する適性検査型入試では特待合格入試での成績のほか、語学、スポーツ、芸術などで秀でた能力をもった受験生の入学金や授業料の一部または全額を免除する制度に基づき合格を出すこと。ここでは入試の成績が優れている「学力特待」を指す。各私立学校で導入されており、入学後、ほかの生徒とは別に進学クラスを設けて取り出し授業をする学校もある。も出すと宣言しました。

特待合格とは、入試でとくに好成績をおさめた受験生の入学金や授業料1~2年分を免除する制度です。入試偏差値では第1志望校を20ポイント以上も下回りますが、これから改革の成果が出るのではないかと期待が高まりました。説明会の後、広々とした校内を見学すると、それまでに見たどの学校よりも校舎や設備が立派でした。娘もその豪華さに心を奪われたようです。合格後に2万円を払えば、都立一貫校の合格発表がある2月9日まで入学手続きを待ってくれると聞き、娘も私も「手始めにここを受けてみよう」と意見が一致しました。

 16話前半①

1月下旬の入試日程はこれで固まりました。あとは2月3日の都立一貫X校の適性検査までに、都内の私立中をどれぐらい受験するかです。第2志望の山の手のA校は、1日、2日、4日と計3回も適性検査型入試を行います。もし早めに合格をいただけるなら、もう1校ぐらいは受けられるのではないかと、保護者としては「欲」も出てきました。

適性検査以外にも「挑戦」

塾の資料を見てみると、山の手のB校が、2018年から新しい入試を始めるとあります。B校といえば、約半年前の5月に東京国際フォーラムで行われた私学相談会首都圏では各私立中学・高校の協会が主催する学校説明会が年数回、開かれている。東京私立中学高等学校協会が2019年5月に開いた「東京私立中学合同相談会」では、都内の175校が個別ブースを出展し、私学受験を検討する小学生や保護者の個別相談に応じた。で、説明を聞く親子が長蛇の列をなしていた人気校であることを思い出しました。入試偏差値でみると、第1志望の都立X校より5ポイント程度低いとはいえ、適性検査型入試を行うわけではないので、「すべり止め」というより「挑戦」と捉えたほうがよさそうです。

16話後半①

ある土曜日、自宅から1時間超をかけて、B校の説明会に赴きました。校門を入り、緩やかな坂を上っていくと、外国人教師が“Hello!”と声をかけてきます。その向こうにはテレビの学園ドラマにでも出てきそうなきれいな中庭。受付で出迎えてくれた女子生徒は顔こそ日本人に見えますが母語は英語らしく、英語で道順を案内し、ペットボトルのお茶を勧めてきました。幼稚園に入る前にプリスクール未就学児に英語保育を行う保育施設のこと。ネイティブスピーカーの外国人講師と、日本人スタッフで構成され、英語を基本とした環境で過ごす。 に通った程度の娘は固まっていましたが、久々に英語でやりとりした私は、すっかり舞い上がっていました。(つづく) 

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