エデュアお悩み相談室

中学受験と習い事の両立が心配です

2019.05.10

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安浪 京子
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  • どの習い事も本当に本人がしたいと思っているものなのか、見極めを
  • 本当に好きで極めていきたい習い事があるならば、中学受験ではなく、そちらに専念すべき
  • 「全てこなさせたい」と思うのは、親のエゴ

《質問者》
小学1年生の子がいます。現在、月曜から土曜まで習い事があり、どれも子ども自身がやりたいものなので続けさせたいと思います。ただ、小学4年生ごろから始まる中学受験の勉強との兼ね合いがいまから心配です。(大阪府 主婦 40代)

今号の回答者は「きょうこ先生」

《回答》時間は皆に平等です。1日24時間しかなく、小学生は学校に通い、食事、お風呂、睡眠時間を確保し、残りの時間でほかのことに取り組まねばなりません。

 中学受験塾に入ると、大量の宿題が課されます。おけいこ事をしていなくても、限られた時間内に全てをこなすのは不可能であり、常に取捨選択の連続となります。限られた時間の中で物事に取り組むには、優先順位をつけ、無理なものは削る必要があります。

 そもそも、どの習い事も本当に本人がしたいと思っているものでしょうか? 月曜から土曜まで全ての習い事をこなせているということは、かなり精神年齢が高く、忍耐強いのでしょう。だからこそ、「本当はやりたくない」と言い出せない状況を親が作り出し、それに耐えている可能性もあります。5年生までは複数の習い事と塾通いを頑張って続けていたものの、6年生になって突然心がポキッと折れ、習い事はおろか、塾にも学校にも行けなくなった子もいます。

ピアノ教室

 探検家グランドスラム(七大陸最高峰、北極点、南極点到達)を、早稲田大学在学中に世界最年少の20歳で達成した南谷真鈴さんは、幼少期から多くの習い事に取り組み、成果も上げてきたそうです。しかし、小学生の頃から(まして大人になっても)そのような能力を発揮できる子は、当然ごくごく一握り。

 本当に好きで極めていきたい習い事があるならば、中学受験ではなく、そちらに専念すべきでしょう。そもそも、本当に好きな習い事ならば、それ一本に専念して月曜から土曜まで過ごしているはずです。あらゆる習い事をパラレルにこなしているならば、それほど思い入れがある習い事ではないと言い換えることもできます。それならば、3、4年生になったら自然と「この習い事はやめたい」と言い出すでしょう。

 極めたい習い事が一つに絞れる場合、中学受験との両立は可能です。ただし、サッカーや野球など、練習や試合が流動的に入る習い事の場合、曜日の固定された塾ではなく、自宅学習や個別指導、家庭教師といった時間の融通の利く方法を選択することになります。

 もし学年が上がり、受験勉強を始める時に「どの習い事もやめたくない」と本人が言ったら、本人に優先順位をつけさせましょう。中学受験ありきならば、諦めざるを得ない習い事も当然出てきます。その場合は習い事を「やめる」のではなく、「受験が終わるまでお休みする」と考えると気が楽になります。

 それでもなお「習い事をやめたくない」となっても大丈夫です。どのみち、複数の習い事と受験勉強は両立できません。宿題まで手が回らず、テストの点数が取れないとつらいのは子ども自身であり、勉強時間を捻出するために、本人が習い事を整理する必要性を感じるようになるはずです。その上で「でも全てこなさせたい」と思うならば、それは親のエゴです。

お悩み募集

※教育や育児、受験のお悩みに、エデュアや朝日新聞で連載を持つ浜学園アドバイザーの「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん、学習アドバイザーの清水章弘さん、プロ家庭教師で中学受験カウンセラーの安浪京子さんの3人が交代でお答えします。みなさんのお悩みを募集しています。子どもの年齢や学年、お住まいの都道府県名のほか、相談内容をできるだけ具体的に書き、メールでエデュア編集部にお送りください。掲載は匿名です。すべての相談に応じることはできません。ご了承ください。
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