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奨学金を利用する前に わが子の「本気」をしっかり確認

2019.04.26

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坂本 綾子
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子育て世代のお金の悩みに、子育て世代のファイナンシャルプランナーがお答えするコラムです。

受験先や入試方法 早めに決めて戦略的に「出費」を抑える

奨学金を利用すべきかどうか判断する前提として、そもそも大学進学にどれくらいお金がかかるのか、確認しておきましょう。

国公立? それとも私立? まずは大学の学費をおさらい

まず、国立大学の授業料などは、国の省令で定められた標準額をもとに各大学が決めます。2019年度の標準額は授業料が年額535800円、入学料が282000円。独自に授業料を値上げする大学もあります。公立大学は、授業料は国立大学と同程度ですが、入学料は入学者の出身地によって異なることがあります。つまり、国公立大学なら入学年度に80万~90万円程度が必要で、4年後の卒業までの合計額は約250万円になります。一方、私立大学では大学ごとに授業料を決めるため、大学により、また同じ大学でも学部により授業料や入学料が異なります。文科系学部よりも理科系学部の方が高めです。

下の表は国立大と私立大(文科系学部、理科系学部)の学費をまとめたものです。

■大学の納入金

大学の納入金

受験スケジュールは入学料支払い締め切りも意識したい

第1志望に加えて滑り止めの大学をいくつか受験していることも多いでしょう。入学料の重複払いを避けるには、受験先を決める段階で、志望順位の低い併願校の入学手続き締め切り日の前に志望順位の高い大学の合否がわかるように意識して、スケジュールを組みたいところです。ただ、国公立大を希望する場合、2月の私立大入試の入学手続きの締め切り日は、たいてい国公立大の合格発表前。私立大を併願する国公立大志望者は、私立大の入学料支払いの出費を想定しておく必要があります。もっとも費用が高いところを想定して、どう工面するか考えておきましょう。

この際、親だけで計画を立てるのではなく、子どもとコミュニケーションを取って進めるのが必須です。大学という高等教育の場に何を求め、何を学ぼうとしているのか、早いうちに話し合っておきましょう。私ごとで恐縮ですが、わが家は私も夫も文科系学部の出身です。そのため長男も文科系志望だと思い込んでいて、高校3年になって理科系に進みたいと言われて慌てて資金計画を変更した、ということがありました。

高校1年生の秋ごろには文系か理系かを決め、高校2年の4月からは文理別のコースやクラスに分かれて授業が行われる学校が多いようです。そして、高校3年生の春ごろには、志望大学や受験方法をある程度絞り込むように指導があります。

AO・推薦入試なら入学料振り込みは年内に発生

大学入試といえば13月というイメージですが、いまの大学入学者の半数近くはAO入試や推薦入試で進学が決まります。AO・推薦入試は年内(912月頃)には合否がわかり、入学料の振り込みが発生します。ですから、高校2年生の後半には大学の志望先とお金について親子で話し合い、具体的に計画を立て始めましょう。

大学生になったら、食費などの生活費もかかります。日本学生支援機構の調査によれば、授業料以外の生活費は全国平均で、自宅通学生が月3万円台、下宿生は家賃や光熱費がかかるため月9万円台となっています。

■大学生の生活費

学生の生活費

あくまで平均ですから地域や暮らし方で違ってきます。生活費の部分をどうするか、親が一定額を出し、足りない分は子どもがアルバイトをするなど、事前に話し合っておくといいでしょう。特に自宅から通えず下宿する場合は、年間では100万円を超えますから、どうやって資金を賄うのかメドをつけておきたいものですね。

本日の結論

  • 受験スケジュールは入学料振り込み手続きの締め切り日も意識したい
  • 「大学で、何を、なぜ学びたいのか」。子どもの本気を見極めよう
  • 大学生入学者の半数はAO・推薦入試。年内に入学料支払いが発生する

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