2020教育改革

2020年度の教育改革で何が変わる? ―小中高の学習編―

2019.03.14

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EduA編集部
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  • 「2020改革」では小~高校までの学習指導要領も順次、変わる
  • 朝日新聞のアンケートによると、改革の内容まで知っている人は3割程度
  • 保護者からは情報が少ないことへの不安や、思考力をどうつけるか悩む声も

学習指導要領も変わる

2020年度からは、文部科学省の定める学習指導要領も変わります。まず小学校で、21年度からは中学校、22年度からは高校で新しい学習指導要領に沿った授業が始まります。

今年2月、朝日新聞社が実施した教育アンケート(回答者数、4568人)には、学習指導要領に関する質問も多く寄せられました。

大学入試、こう変わる・上段
大学入試、こう変わる・下段
※上記の学習指導要領の表の一部に誤りがあり、修正のうえ正しいものを掲載しています。(2019年4月15日)

プログラミングと英語教育

《新しい学習指導要領の目的は?》(千葉・女性 39)


20年度からの新しい学習指導要領で文科省は、これからの社会で必要な力を「知識・技能」を土台とした「思考力・判断力・表現力」、そして「学びに向かう力・人間性等」の三つを育てるべき資質・能力=三つの柱=と定義しました。
新学習指導要領は、この「三つの柱」を踏まえ、自ら問題を発見し、主体的に考え、答えのない問題に挑み、他人と協力して解決できる力の育成を目指すとしています。

プログラミング教育

《具体的には、何が変わるの》(同)

小学校では5、6年で英語(外国語)が教科になります。コンピューターを動かすときに使う論理的な考え方を学ぶプログラミング教育も取り入れられます。

中学校では、小学校から引き続いて「学力の3要素」の育成を目指し、国語は語彙(ごい)を豊かにする指導、論理的思考力を育てる情報の扱い方の指導に力を入れます。外国語(英語)は学ぶ語彙数を大幅に増やし、関心のある事柄について互いの考えや気持ちを即興で伝え合う活動を重視。授業は外国語(英語)で行うことを「基本」としました。

高校では、科目が大きく変わります。国語は論述や議論を通じて表現力を伸ばす「現代の国語」と、古典を中心に現代とのつながりも学ぶ「言語文化」の必修2科目を新設します。選択科目でも論理的な思考力の育成につながる情報の扱い方などを学ぶ「論理国語」など3科目を新設します。
数学と理科を活用して多角的に思考する力を養う選択科目「理数探究基礎」「理数探究」も設けられます。

英語はコミュニケーション力向上を重視し、4技能の育成を強化。プログラミングやデータ活用の基礎を学ぶ「情報Ⅰ」が必修になります。

世界と日本の近現代史を学ぶ「歴史総合」、領土や国際協力、防災を学ぶ「地理総合」、主権者教育を目指す「公共」が必修科目として新設されます。

この新しい学習指導要領で高校3年間学ぶのは、19年度の中学1年生です。彼らが現役受験生になる24年度からは、共通テストの科目が再編されるなど、また大きく変わる方向です。

「AI時代」でも置き換えられないチカラ

図表

《教育改革で子どもたちに求められているものが分からない》(埼玉・女性 48)

改革の背景には、社会が急激に変化するAI時代に活躍できる人材の育成が急務、との危機感があります。野村総合研究所は15年に出した報告書で「2030年ごろには、日本の現在の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能になる可能性が高い」と予測しました。

《なくなる可能性が高い仕事に挙げられたのは、ルールに沿って作業する一般事務員やレジ係といった仕事だけではありません。税務職員や行政書士など、豊富な知識やデータから判断を下す仕事も「代替可能性あり」とされました。

一方で、教師や保育士、医師のように他人との協調が求められる職業や、ミュージシャンなど芸術に関わる職業は、AIには置き換えられにくいそうです。

《なぜ今なの?》(同)

いまの子どもたちが社会を担う20年後には、人口減や少子高齢化、グローバル化も今以上に進みます。AIに置き換えられない人間ならではの力、創造力や行動力、協調性を備えた少ない働き手が、言語や文化、生活背景の異なる人々と協力し合って社会を支えていく必要があります。知識や技能を得るために学び続ける力、知識を活用するための思考力・判断力・表現力、自らのアイデアを他人と協力して実現できる力が必要だ、と文科省は説明しています。

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