東大卒シングルファーザーの中学受験備忘録

5話 「公立一貫」に強い塾

2019.04.23

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堀 杜夫
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  • 塾では2~3カ月ごとに模試がある。この成績でクラス替えが行われることも多い
  • 同じ塾でも教室によって合格実績に差が出る。先生の指導力に左右されがち
  • 適性検査では、私立・国立中学受験で必須とされる特殊算の解法より、思考力が問われる

新5年の2月から公立一貫校コース

中学受験を経験した保護者なら常識でしょうが、開成・麻布・武蔵、桜蔭(おういん)・女子学院・雙葉といった男女「御三家」や、それに次ぐ難易度の高い学校に強いのは、うわさどおり圧倒的にSAPIXでした。これに早稲田アカデミーと日能研が続くという構図です。

一方、娘が目指す公立中高一貫校に多くの合格者を出しているのは、ena、栄光ゼミナールの二つ。あとは、限られた地域で展開する一部の地元塾も強みを発揮していることがわかりました。

私の自宅の最寄り駅周辺は、10は下らない教室がしのぎを削る塾の激戦地です。ただ、その多くは中小塾や地元塾で、難関校を目指すSAPIXや日能研はありません。4年生の秋ごろ、私がいくつかの塾に話を聞いたうえで、娘に体験授業や冬期講習を受けさせた結果、年明けの2月からある塾の公立一貫校コースに通うことになりました。やはり、自分が担当した塾選びの記事で、地元の都立一貫校をはじめ、公立中高一貫校に多くの合格者を出していたことが決め手となりました。一緒に学校説明会に行った同級生の男子と女子も、同じ塾に通うことになりました。

入塾してすぐ、その教室からある都立一貫校に合格者が出ました。たった1人だったと思いますが、倍率の高さを考えれば「まあそんなものか」と納得しました。塾では2~3カ月ごとに模試がありますが、娘は当初、模試でも悪くない点数を取っていました。5年生の夏ごろだったか、成績上位者のランキングに名前が載ったこともありました。

ただ、そのランキングを見て、あることに気づいたのです。娘たちが通う教室の生徒は1人か2人いる程度ですが、隣の駅の教室の生徒はランキング上位に多数載っているではありませんか。近隣の区立小の児童でしょうから、学力に地域差があるとは考えられません。そのうち、隣の駅の教室の先生の指導ぶりが、保護者向けの会報で紹介されました。算数の指導に秀でた先生がいるという記事だったと記憶しています。

シングルファーザー5話

思考力を問われる適性検査

公立中高一貫校の適性検査は、私国立中学受験で必須とされている、鶴亀算、旅人算といった「特殊算特殊算中学校で習う連立方程式などを使わずに解く計算法。鶴と亀の数の和と、脚の本数(鶴2、亀4)の和から、それぞれの匹数を求めるのが「鶴亀算」。」の解法は知らなくても問題ありません。ただ、その一方で、ある条件のもとに数値がどう変化していくかという規則性を見いだし、N番目の数値を答えるといった難問がしばしば出題されます。本来、そうした問題に立ち向かうには、論理的に考え、ねばり強く試行錯誤して規則性を発見する力が必要です。知識の暗記ではなく、思考力が問われているのです。

つまり、思考力さえ鍛えれば、学校の授業の範囲内の知識で、公立一貫校の適性検査に太刀打ちできると言ってもウソではありません。ただ、実際の適性検査は、非常に多くの問題をきわめて短時間で解かなければならないことも事実です。何らかの規則性を見つけて、たとえば5番目の数値を求めることは力業でできても、50番目となるとさすがに無理です。すると塾はどうするか。たとえば、私自身は高校2年で習った「等差数列等差数列はじめの数に、一定の数を足し続けることでできる数の列。例えば、はじめの数(初項)「1」に「3」を足し続けた場合は1、4、7、10、13……と続く。それぞれ隣り合った数との差(公差)は常に等しく「3」となる。和の公式は初項a、公差d、項数nとして、n×{2a+(n-1)d}÷2で表される。」の和の公式を、小学生に覚えさせることになるのです。(つづく)

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